学生フォーミュラ日本大会2022で気になった出来事を追うこの企画。

今回は、京都大学のオートクロスが9位で留まった理由を追いました。

京都大学が活躍した5日目のエンデュランスレポートはこちら

インタビューに応じていただいた(左から)次期PL加藤さん、TD長濱さん、総務平野さん

エンデュランス2位だったがオートクロスは9位だった京都大学

今年は総合2位を獲得し、表彰台へ立った京都大学フォーミュラプロジェクト「KART」。静的、動的のそれぞれを3位で終えています。

エンデュランスの結果は2位で、ファステストラップも全体の2位。この最中のドライビングも実況・解説からの評価は高く、マシンとの組み合わせてポテンシャルは随一のものがありました。

そこで気になったのが、オートクロスの9位です。

京都大学のオートクロスは、パイロンタッチのペナルティを加味しない純粋なタイムでも9位でした。ここまで速さがあるチームが、同じようなレイアウトでどうして少し沈んでしまったのでしょうか?

長濱「シェイクダウンからトラブル続きで、エコパや周回の模擬レイアウトを走れていませんでした。練習不足だったと思います。あとは、単に失敗もありました。」

京都大学は8月エコパの時はあまり走れていませんでした。この時は液体漏れが何度かあったそうです。また、関西支部の試走会にも来る予定でしたが、この時もトラブルで来れていませんでした。このようなことが影響したのでしょう。

エンデュランスで得点を稼ぐことに成功

京都大学は、動的の平均順位は6.6位で4番手でしたが、得点では京工繊、名城大に次ぐ3位でした。やはりエンデュランスの2位が効いています。

そのエンデュランスは、完走をメインターゲットとして挑んだそうです。インパネに警告が点かないかを気にしつつの走行でしたが、点灯することはなく、タイムも予想以上に速かったと話していました。

また、前述の通りドライバーの走らせ方にも注目が集まりました。コースを広く使ったり、最終コーナーをきれいに抜ける姿は、解説陣の目に留まる走りでした。

ドライバーにコメントを求めると、謙虚にも「相対的に速く見えているだけです。マシンの状態を正確にわかっていて、無駄な操作をせずに運転するように意識しました」との回答がありました。

人数が少ない中で勝負していく

来年度にかけて、信頼性の向上は急務となりそうです。

ただ、それが達成されたとき、このチームがどこまで強くなってしまうのか。気になるところです。