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トヨタ東自大、6年間の活動の集大成 – 東京オートサロン

東京オートサロン2023では、学生フォーミュラのマシンが2台展示されていた。日本自動車大学校Formula Factory NATS「FFN-11」と、トヨタ東京自動車大学校TTCT SFC 2022「TSF22E」だ。

ここでは、2022年で参戦休止を発表したTTCT SFCを東京オートサロン2023にて取材した、集大成マシンの細部を紹介する。


TTCT SFC(Toyota Technical College Tokyo Student Formula Team)が学生フォーミュラに参戦し始めたのは2017年。スマートモビリティ科の学生が、授業で身に付けた知識・技術を実践的に生かすために参戦してきた。

最後となった2022年大会は総合17位、EVクラス2位と、過去最高順位。また「自動車工業会会長賞」「省エネ賞2位」を獲得している。

大会前は、コロナ禍以降初めて公式試走会で走ったEVマシンとして注目を集めた。EVの中でも唯一の直流モーターであり、その静かすぎる走りは類を見ず興味深い。

2022大会の静的審査は、コスト33位、デザイン36位、プレゼン18位で全体27位。

この大会で特筆すべきは、静岡理工科大学と並び、数少ない動的出場まで到達したEVチームとなったこと。そしてそのまま全競技を完走。エンデュランス20周を完走したのはチーム史上初だったという。

そのエンデュランスのレポートはコチラ

それぞれの結果は、アクセラ23位、スキパ19位、オートクロス34位、エンデュランス16位、効率2位で動的全体は18位となった

TSF22E

TSF22Eは、15インチホイールや直流モーター、バッテリーをマシン左右に配置したりと、独自のマシン設計が詰まっている。

この独特なカラーリングは、ボデークラフトかがデザインから製作までをおこなったもの。TOYOTA Gazoo Racingをイメージしてつくられたという。当サイトの「カッコいいマシンランキング ウィングなし部門」にて同率5位に選ばれている。

このマシンの最もこだわってある部分は、整備性の良さだという。

バッテリーにアクセスしやすいようシート裏でなく左右に配置したり、ハイボルテージのボックスをリアにまとめるなど、配線設計は難しくなるものの整備時にあらゆる場所に手が届きいやすいようになっている。

その中でも特に力を入れたのが「配線がスパゲティにならないように」ということだそう。あらゆる部分で無駄に長くなっている配線が一切ないようにしているのだ。

現地オートサロンでは、関係者である森氏が各配線ボックスの中の写真を見せてくれて、あらゆる配線が最短距離でつながれており美しさが半端ではなかった。またこの様子は、TSF22Eの試走会と大会時の写真を比べてみても確認できる。

7月の試走会、少ないが長い配線が多少ある

大会時、無駄な配線はまるでない

また、オンボード上にあらゆる警告ランプが設置されていることも見逃せない。先ほどの整備性と合わせて、トラブル発生時にはすぐに問題箇所を特定し、すぐさまそこへアクセスできるようになっている。

ところで、なぜこのチームは唯一、直流モーターを使ってきたのか?理由を聞くと「そこにあったから」だという。以前学内にて他の用途に使っていた直流モーターを、学生フォーミュラ参戦のために流用したのだという。しかし、いかんせん古いモーターで、絶縁処理などレギュレーションに合わせるのにかなり苦労したそうだ。


2022年大会で参戦を休止すると発表している。スマートモビリティ科の学生が参加してきたが、自動運転やCASEなど自動車業界が変化する中で科のカリキュラムの見直しが行われ、学生フォーミュラ活動が外れてしまうこととなったそうだ。

マシンは学内にて保存されるという。休止という表現にもある通り、今後活動が復活する可能性はゼロではないという。

TTCT SFTは、電機類はかなりの精度で作り上げられるチームだ。逆に、車体の部分は6年間の活動では本格的に着手できなかったそう。

復活が楽しみなチームである。

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