2022大会

京都工芸繊維大学「Grandelfino」総合優勝インタビュー

ガクセイフォーミュラ日本大会2022で圧倒的な優勝を飾った京都工芸繊維大学「Grandelfino」。

この成績の秘訣はどこにあるのか、インタビューを実行しました。

Grandelfinoが活躍したエンデュランスの様子はこちら

戦績を振り返る

まずはGrandelfinoの今年度を振り返ります。

彼らにとって2022年は「新3か年計画」の2年目。2気筒エンジンに変わってからの初の大会でした。マシン「GDF-17」は加速性能、旋回性能の向上を目指し、特に軽量化や重心高の低減などを行ってきました。

大会結果をまとめると(比較は昨年のもの)、静的審査ではコスト審査は4位→1位、プレゼン審査は24位→1位、デザイン審査は7位→1位でした。特にプレゼン審査の順位が大きく向上しています。動的審査ではアクセラレーション2位、スキッドパッド1位、オートクロス1位、エンデュランス1位、効率7位でした。加速、旋回、周回とそれぞれ高次元のマシンだということがうかがえます。

強さの秘訣はどこに?

インタビューは、2022年大会のプロジェクトリーダー、吉田健悟さんにお答えいただきました。

登壇する吉田PL

日本一早くシェイクダウンしたり、その後の試走会ではトップタイムマークしてきていた京工繊。早くから今大会の最右翼とされてきましたが、当のチームはどのように考えていたのでしょうか?

吉田「優勝は、大会の終わり頃には見えてきていましたが、最初は全然予想していませんでした。

そもそもチームとしては”3位に入ろう”というところが目標でした。今年度は、昨年度を始まりとした”新3ヵ年計画”の2年目で、来年のためにデータの蓄積や新パーツのテストをしていくことが中心でした。そのため、積極的に勝ちに行く感じではありませんでした。

ただ、他のチームが苦戦していたり、静的審査の成績が良かったことから、じゃあこの調子のまま大会を走り抜けようということにはなりました。

その静的審査では、総合すると昨年の6位から1位まで上昇し、特にプレゼン審査は前述の通り24位から1位までジャンプアップを果たしています。

吉田「プレゼン審査には、かなり長い時間をかけて準備しました。

特に、チーム全体で認識の共通化ということを徹底しました。なぜこのビジネスプランにしたのか、ということを全員で議論して、考えを共有、共通化しました。また、SPD提出とプレゼン発表資料の作成者を同じメンバーにしました。

最終的にはこのような認識の共通化が、うまくいった要因だと考えています。

動的審査では3日目、午前中のウェットコンディションの中でも走り、タイムを残していることが印象的でした。

吉田「天候が変わって大変な日でしたが、午前の段階でまずタイムを残せていたので、余裕ができました。このおかげで、午後に出走するタイミングに自信が持てたと思います。

最後に迎えたエンデュランス。最終出走チームに恥じない走りで全体最速タイムまで叩き出しましたが、どう挑んでいたのでしょうか?

吉田「エンデュランスでは、1位よりも安定して走ることを考えていました。(エンデュランス前時点で2位につけていた)京都大学に対して計算したら、68~70秒台のラップタイムで大丈夫だとわかっていました。

ただ、ドライバーのモチベーションが高く、マシンのポテンシャルを出せるなら出そうということになりました。全体を抑えめに走って、3周目で一回アタックする方向で計画していました。

訪問日は来年度への引継ぎが進められていた

訪問した日には、すでに新たな主力メンバーが主体となって作業をしていました。そこで、新3ヵ年計画の最終年である来年への状況についても少し聴いてみました。

吉田「これまでの大会連覇記録を塗り替えるというのが3ヵ年計画の目標なので、連覇を目指してやっていくと思います。マシンについては、今年の反省として信頼性の問題があったので、それを向上させていくようになると思います。

ドライバーやチーム全体がまとまった結果の勝利

動的もトップレベルでしたが、静的審査の改善をねらって成し遂げたことはより注目に値すると思いました。60人規模のチームが考えを統一化したのは、相当な量の議論を重ねた結果なのでしょう。

この20回大会のリザルトは、伝説として後世に残るでしょう。そしてGrandelfinoは、表彰式での「これに留まることなく取り組んでいく」の言葉通り、さらに強くなって

近くに引継ぎがされ、来年度のチームが本格的に始動するようです。マシンについても、新たなエレメントがいくつか検討されているようで、期待が持たれます。

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