2022大会

10月富士カースワップ試走会レポート – 学生フォーミュラ

2022年の大会を終えて早1ヶ月。既に多くのチームで代替わりがされている様子が聞こえてきます。

そのさなかで、10月16日、富士スピードウェイP2駐車場にて試走会が行われました。

今回の試走会の目的は「カースワップ」。他チームのマシンに乗って、自チームのマシンとどこが違ってどこがいいのかを知る、もしくは他チームのドライバーを乗せて、マシンを比較評価してもらうテストでした。

どのような感想が得られたのか?参加チームは東海大学(主催)、千葉大学、工学院大学、静岡理工科大学、大阪大学、東京都立大学でした。

場所、コースの詳細はこちらから⇓

5校合同試走会 in 富士SW レポート

午前中は各自テスト

この日の富士は曇空。時折日は射したものの気温は20℃付近で落ち着いていました。風はほぼない穏やかな気候で、路面温度は30℃強でした。

周囲の山には霧がかかっており、冷たい風が吹く

コースは周回のみ。大会前と様相変わらず、工学院大が一番でコースに出ます。その脇では理工科大が加速チェック、大阪大、都立大がブレーキのチェックを行いました。最終的には全マシンが周回を走れていました。

東海大「Tokai Formula Club」は大会で全く走れなかった後、この日が初めての走行。3回目の試走会のもかかわらず「ほぼシェイクダウン」と表現したマシンはトラブルが続出。アクセルワイヤ、焦げたような異臭などのトラブルに加え、終日フロントウィングを削りながらの走行となりました。午後の最後にはリアサスのアームが破断してしまいました。

それでも、大会後に650ccから700ccにボアアップしたというエンジンのマップテストを繰り返していました。エンジン音は野太い音に変化していました。

千葉大「CUFP」はこの午前中は規定周回(3周)を終えては列に並んでを繰り返し、精力的に走行していました。それにより午前中の最多周回(25周)を記録し、後述するタイムも全チームベストでした。

静岡理工科大「SFP」は、この日は駆動系のシステムエラーのチェックとのこと。大会中は「奇跡的」に完走しましたが、エラーの原因はつかめていないよう。朝の加速チェックでは何度かテストしても問題なさそうでしたが、結局終日トラブルでたびたびマシンストップしていました。

大阪大「OFRAC」は、大会後に変更したベルクランクのテストが午前中のメインでした。また、マシンにタフトをつけ、ついでにエアロの様子も確認していました。朝はブレーキ試験をしていましたが、どうやら完全解決には至っていないようです。

東京都立大「Formula TMU」はチェーンのトラブルが再燃。短くしたりして対策はしたものの、デフマウントが伸びてしまったりしているようで、加速時にチェーンが接触している音を発していました。それもあり、ギアを1速のままの走行でした。

周回数は、最多の千葉大が25周、大阪大16周、工学院大13周、東京都立大9周、静岡理工科大、東海大が8周でした。

今回は大阪大、東海大が走るとのことで、参考程度に数周のタイムを測定してみました。ベストタイムは千葉大の57.8秒でした。ファイナル6に届くかどうかはこのあたりがベンチマークになりそうです。他にも、比較として工学院大は62.0秒でした。

気になる大阪大はベストタイムが59.2秒。動きは工学院大と似ていますがより機敏。ファイナル6は十分狙える実力だったと言えるでしょう。

東海大は61.9秒。他チームと比べエンジンセッティングは途中で、足回りはほぼノータッチとのことで、ポテンシャルは最後まで想像次第となりました。

午後はカースワップ

昼食休憩後、カースワップが始まりました。当初はトラブル続きで辞退予定だった静岡理工科大も参加し、全チームがスワップをし合いました。

その静岡理工科大は「心配です」と話していましたが、千葉大のメンバーは「どういうフィードバックがもらえるか楽しみ」と話しており、多くがワクワクしていました。

各マシンに乗ってみた感想をまとめます。

東海大

・オーバーステア気味。

・低回転からトルクフル

千葉大

・大阪大よりもヨーがマイルドだった

・パワーが高回転で出るエンジンで、アクセルに対する応答がいい

・ブレーキで姿勢をつくるマシンだった

工学院大

・頭が入るマシン

・低速からトルクがあり、扱いやすい

・ステアリングが重い

静岡理工科大

・EVでトルクがあり加速がすごい

・スロットルに対して線形的にパワーが出たのが印象的。上ではすこし踏み足りなさ

・ドライバビリティがいい

・モーターの応答がアクセルに対して思った通りで、その分思考をコーナーに割けられる

大阪大

・ステアリングの応答がいい

・高速域で挙動が収束できず、乗りこなせなかった

東京都立大

・典型的な逆アッカーマン角のマシンだった

・ブレーキバランスがリア寄りで、Pバルブを勧めた

入れ替わり立ち代わりの忙しい時間でしたが、試乗の前にはインパネなどの説明がちゃんとあり、走行中のトラブルはまったくありませんでした。試乗のあとは長時間のヒアリングやアンケートがされ、それ用の用紙を用意しているチームもあったのが印象的でした。

他チームで、そのマシンのベストタイムを出したドライバーがいたことも興味深いですね。

今季ほぼ最後の試走会は充実に終わる

多くのチームはこれが最後の大会後の試走会となりそうです。

チームがここで得たことをどう生かしてくるか、オフシーズンの楽しみですね!

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