8月22日、富士スピードウェイにて5校合同試走会が開催されました。

参加校は早稲田大学東海大学工学院大学東京大学芝浦工業大学の5校でした。

大会2週間前で、これが最後の周回走行のチャンスになるそう。かなり精力的に走行がされました。

場所:富士スピードウェイ P2

走行が行われたのは「富士スピードウェイ P2駐車場」でした。

幅・奥行きは最大で160×250mほどです。ですが方形の敷地ではないので、午前にアクセラレーション、スキッドパッド、コース設営をし直して午後に周回とスキッドパッドというスケジュールでした。周回コースもフルでは設置出来てはいません。

路面はエコパと同じ、もしくは少し角が丸くなっているような感じでした。あとは、南側から中ほどまで若干登りになっています。

試走会の環境としてはかなり良さげだ

午前:東海大含む4校が走り始める

この日は曇天、富士山や周囲の山々にも雲がかかっていました。午前中は気温が30℃に達していません。

これまでも順調に走行を積めている工学院大が早くも暖気を終え、まずシェイクダウン証明を撮りました。そのままスキパ5回、アクセラを2回と、一時冷却ファンにトラブルを抱えながらもガンガン走行をします。

シェイクダウン証明を撮影する工学院大

次に走行を始めたのは早稲田大でした。が、今回もトラブルから離れられず。アクセラ1回目でシフトリンケージが折損してしまいました。さらに今回もエンジン始動に難を抱え、次に走行できたのは1時間後でした。

東京大学も走り始めます。初めにスキパを3回走り、その後は午前中いっぱいをアクセラに費やします。CVTのギア比をいくつか試していたようで、PCで調整を繰り返していました。

期待していたタイムが出せたようで、時折嬉し気な声が聞こえてきました。

今年仕様とみられるカウルも付いた

そして、8月のエコパで全く走れず、そのままこの日を迎えた東海大が登場。暖気を終え、シェイクダウン証明を撮影、ついに走行が叶いました。

ついにシェイクダウンした東海大
8月は指摘されたレギュの適合を進め、この日に至ったという

午前の走行枠が30分延長され、早稲田大も応急処置で再走行でき、スキパを走行していました。ここまでの最多走行は工学院大、アンチロールバーの効果を実感できたり、初心者ドライバーの習熟を行えたりと、内容的にも充実している様子でした。

午後:積極的な周回が行われた

午後は太陽が差しますが雲も多く、そこまで高温にはなりませんでした。

午後も初めに出てきたのは工学院大でした。すぐに東京大も、早稲田大は午前にあまり走れなかったスキパをまず走行しました。

ここで東海大に珍しい動きが。今年はエアロを前より複雑にしたそうです。そのテストをするためフロービズ+タフトを付け、直線走行、さらにスキパを走っていました。

このスキパのタイムも注目です。足回りのセッティングなど全くできていない状態で、パイロンタッチもありましたが最速で片側5.06秒を記録していました。

マシン右側にタフト、左側にフロービズを塗り、終日走行していた

各校でセッティングを変えながらの走行が続きます。

工学院大は新しい燃調セットを試していたり、この日は特に初心者ドライバーの習熟をメインで行っていた印象でした。

最後にはサイズの異なるタイヤを用意していましたが、これを試そうとしたときにマフラーが接続部分で外れてしまいました。それでも、この日最多の18周を走破しました。

異なるタイヤ(マシン右後ろ)は試せなかった。また後日…

次に走行周回が多かったのは、なんと東海大。初走行なので足回りや燃調のセッティングができていない中、1,5,5周の計11周を走破しました。毎回足回りの緩みと格闘し、エンジンが吹けない問題を抱えつつの走行でした。ただ、ポテンシャルは高そうです。

待機中は常にメンバーが群がり、忙しそうだった

早稲田大と東京大は同じ計8周を走行。早稲田大は、エンジン始動の問題は大きく影響しなかったものの、シフトの不安と、さらにチェーンに緩みがあり、異音を出しながらの走行でした。そんな中でも足回りの減衰を調整したりと、やれることはやっていました。

以前のエコパからマシンの感触は良くなっているようで、確実に成長はしています。あとは「壊れなければ」と話していました。

常にトラブルが絶えないが、ポテンシャルは垣間見える

東京大はCVTの制御だったり、ステアリングの重さを改善するためにジオメトリを変更しながら走行をしていました。ステアリングも改善したようで、こちらも改善は進んでいます。

最後に芝浦工大ですが、移動中に渋滞に引っかかり、マシンの到着は12時を過ぎてからでした。

この日は走行ではなく、シェイクダウンのみを予定していましたが、それもできずに富士を後にすることとなりました。

常に作業が行われていたが、間に合わなかった
マシンが姿を現したのは今年初。10インチ化している

明らかに改善が進んでいる各校

持ち込まれたマシンでは、早稲田大が排気が変わっていたり、工学院大はリアウィングを持ち込んだり(使用はしなかった)、東海大が初走行を果たすなど、状況に変化が見られました。

完成したマシンが、安定走行ができるマシンが増えてきたため、マシンが走っていない時間がないほどこの日は盛り上がりました。本番が迫っている実感がありました。

大会はこの次の日、23日から静的・デザイン審査がオンラインで始まります。