8月18日、「関西支部合同泉大津フェニックス試走会」が、泉大津フェニックス多目的広場で開催されました。

参加校は京都工芸繊維大学ホンダテクニカルカレッジ関西大阪大学日産京都自動車大学校神戸大学岡山大学です。

泉大津フェニックス多目的広場

「大阪南部最大」と謳われている泉大津フェニックス多目的広場。大阪府泉佐野市の臨海部にあるイベントスペースです。

走行に使用したのは多目的広場(B)。300m×250m(走行自体に使用するのは300×200m)ものアスファルト敷の敷地で、スキッドパッド、アクセラレーション、ちょっと縮小した周回コースが同時に入ってしまうほどです。

エコパのP9(動的エリア)ほどには広く、見渡しもいい。紀伊山地、六甲山、明石海峡大橋が見えた

ただし、路面はあまりよくはありません。アスファルトの角はエコパより擦れているものの、小石や砂利が多く、場合によってはネジなども落ちているような環境です。

砂利のおかげで、同じスケールのスキパ、アクセラは、タイムの単純比較は難しそうです。

コース外は特に砂利が多く、スリックタイヤがこのようになってしまう

朝は雨も、すぐ晴れ、ドライに

朝、泉大津は土砂降りの雨でした。

しかし9時頃になると晴れ間が見え始め、実際に走行が始まった11時頃になれば、路面コンディションは終日ドライでした。

最初に大阪大が暖気エリアに向かったが、そのころには路面は乾ききっていた

10時半になると、大阪大神戸大岡山大が暖気エリアへ入ります。岡山大はエンジンの始動前にトラブルが見つかり始動せず。午前は他の2校に加えて京工繊の3台が走行しました。

それぞれ大阪大はスキパを6回、神戸大は周回を計11周、京工繊はアクセラを3本走行し、終了します。

神戸大はシェイクダウン3日目とは思えないほどノントラブルで走行していました。16日にここでシェイクダウンしたときも、かなり順調だったと聞いています。

カーナンバー1が光る神戸大

京工繊は、アクセラで点火カットのテストをしていたそうです。こちらも思ったように動いてくれたようです。

 

この試走会は車検員の方を呼んでいて、走行の裏で簡易的な模擬車検が行われていました。午前中はホンダ関西岡山大が受けていました。

模擬車検を受ける岡山大

午後は4台が走行

午後になると、午前中に走行した3台に加えホンダテクニカルカレッジ関西が走行をしました。

ホンダ関西は、今回が実質初参戦となるチーム。というのも、2021年大会をもって授業の一環だったものが終わり、今は部活として活動しているそう。引継ぎ少なで新体制が始まり、エンジンが単気筒に変わるなど、多くのことをイチからスタートさせています。

白いつなぎと、黄色いマシンのホンダ関西

そのホンダ関西はシェイクダウン以来の走行で、ドライバーの習熟やオーバーヒートなども抱えますが、周回を計13周走破。最後はコース上でストップし終了となってしまいましたが、まずまず走行はできていたと思います。

神戸大は周回を計11周走ると、14時からは模擬車検を受けていました。走行自体は、セッティングの余地はあるものの、それでもスムーズに走行している印象でした。ここからウィング、ディフューザーが付いてどうなるか、楽しみです。

神戸大は、午後にカウルを装着

大阪大は15時までスキパに集中していました。数回走ってピットへ行きセッティング、ドライバー交代、これを繰り返していました。全タイムは把握していませんが、平均でだいたい5.2~5.6秒のタイムを刻んでいたようです。

京工繊は冷却水のエア噛みがあったようで、13時にまず10周の連続走行をすると、その後ピットで冷却水の全量抜き替えをしていました。これが終わってからはドライバーチェンジ練習をしながら10+5+5周、計30周を走破しました。

ニュートラルステアで安定性が高そうだった

大阪大は最後は周回コースを走行。5周+アタック1周をしましたが、スケジュール残り1分で出走したアタックランでは、京工繊のエンデュランス想定のベストタイムを0.7秒上回るタイムを記録。スキパもそうですが、エアロが付いていない状態でのこの結果は、ポジティブに捉えても良さそうです。

枠残り1分「走れるなら走りたい」「オートクロスみたいに走って」

日産京都は、この日にシェイクダウン証明の撮影を完了しました。ブレーキテストですが、熱問題でシステムにエラーが発生し加速せず、またブレーキ液漏れが発生し、走行はそこまでとなっています。

岡山大は模擬車検を受け、ブレーキテストで4輪ロックするまでは至りましたが、そこでタイムアップとなってしまいました。電気系のトラブルに見舞われていたそうです。

日産京都自動車大学校、走行を確認したEV車両は4台目
走行枠が終了した直後にブレーキテストを完了した岡山大、もっと走行をしたそうだった

かなり充実した試走会

スキパ、アクセラ、模擬周回コースとすべてが試せるようになっており、ここでの試走会はかなり充実したものになっていると感じました。さらに車検員の方も招待していて、エコパで模擬車検を受けられていないチームに対しても抜かりはなかったです。

チームとしても、京工繊、大阪大は8月のエコパから新しい、異なるパーツが付いていて、着実に進化を遂げています。

関西で行われる大きな試走会は、これが最後と聞いています。

最後のチャンスで各大学は何を得たのか。大会本番が楽しみです。