7月20日、21日と、大阪・泉大津フェニックス多目的広場で関西支部試走会が行われた。その2日目のレポート。

参加チームは
C01京都工芸繊維大学 Grandelfino
C06神戸大学 FORTEK
C08同志社大学 フォーミュラプロジェクト
C11九州工業大学 KIT-Formula
C12京都大学 KART
C22大阪大学 OFRAC
C27岡山大学 フォーミュラプロジェクト
C31ホンダテクニカルカレッジ関西 HTEC-W Formula Club
C33大阪工業大学 O.I.T. Racing Team REGALIA
C39大阪公立大学 中百舌鳥レーシング

コースレイアウトはスキッドパッド、アクセラレーション、周回の3種類が常時併設されていた。

天気は快晴で完全な真夏日。臨海部ということもあり風は強めで、さながら本番環境が思い起こされた。

トップタイム争いはほぼ5台が絡む

早速、2日目のベストタイムデータ。(提供は京都工芸繊維大学より)

大学名 ベストタイム
京都工芸繊維大学 69.75秒
大阪大学 70.31秒
神戸大学 71.02秒
九州工業大学 72.68秒
同志社大学 72.88秒
京都大学 75.32秒
ホンテク関西 79.43秒
岡山大学 80.66秒
大阪公立大 87.28秒
大阪工業大 95.58

この日は京都工芸繊維大の69.75秒を最速に、大阪大、神戸大、九州工大、そして同志社大の72.88秒が並んでいる。この中には新品や中古タイヤでのタイムが混在するため、雑にまとめるならこの5台が先頭集団だとみなせるだろう。

今年は、王者・京都工芸繊維大が抜け出ていなく、一方で上の中付近にいた同志社大や九州工大がポテンシャルを上げてきていることがタイムベースでも明らかになった。関西勢だけを見ても、今年の最速争いは混戦模様となりそう。

さらに、エンデュランスを想定した20周のロングランを行った京都工芸繊維大と大阪大を比較してみる。

 

ここでは、前半は大阪大が上回り、後半は横並びに近いという結果となった。ただし、大阪大は変更少なの勝手知ったるマシンだが、京都工芸繊維大は初めてのモノコックマシンで熱害と闘いながらの20周だったことには留意が必要か。

とはいえ全体を通して見ると、トップチームの差は一昨年と昨年に比べて格段に小さくなっている。最後の総合優勝を賭けた戦いは、どこがとってもおかしくなさそうだ。

 

参加全チームが走行を果たす

この日は計10台が参加し、そのすべてが最低でも何周かの周回走行をの走行を果した。2年前までのコロナ禍で苦難をもたらされた学生フォーミュラ界だが、段々と蘇りつつある。

この日の最大のサプライズは、京都大が参加したことだろう。例年、合同試走会は8月以降のものにしか姿を見せてこなかったが、今年はこの時期に公に走行する姿を見せた。

少量の走行をしてこの日を迎えたというが、周回のベストタイムは75秒台を残している。こうも早くシェイクダウンができているならば、今年こそ走行距離を稼いでセッティングを合わせた状態で大会には来るのではないか、そんな期待の声が聞こえた。

ステアリングのトラブルで周回5周とスキッドパッドの走行にとどまったが、今年の京都大はいつもとは違うかもしれない、という空気を残した。

昨年のモノコック型変更に続き、今年はリアにアルミバルクヘッドを採用している

この日から参加の岡山大は順調に走行。諸事情でピット内での確認作業の時間があったことを考慮すると、上位5台と同じかそれ以上の銃調査で集会を重ねていた。「壊れにくいマシン」というのが実現されている様を感じさせた。

ホンダテクニカルカレッジ関西は、昨日にクラッチトラブルが発生。エンジン・ミッションを丸ごと交換し、昼頃から参加が叶った。こちらもこの日は十町に走行を重ねた。

大阪工業大は、昨年のエンジン始動性の問題を克服。始動時に関しては単気筒エンジンに対してフルコンのECUを対応することに成功したそう。この日はそれに苦しむ様子は見られなかった。まだ上の回転域では苦しそうだったが、昨年最軽量マシンを今年は動的審査で見ることができそうだ。

大阪公立大は、数年間引き継がれてきたフレームが、昨年に車検を突破したため刷新された。パフォーマンスを狙いすぎたタイトなものから、ゆとりのある形状に変更されていた。

スキッドパッドを含め走行をしていたが、周回走行中にリアサスペンションのアーム等にトラブルが発生し、この日は走行を終えている。何らか強度不足とみられるが、この時期に判明できたのはポジティブといえるだろう。

上位チームは実力伯仲、それ以外でも確実に実りのある走行を果した日となった。

今年の関西勢は間違いなく勢いがある、そんな1日だった。