6月22日に泉大津多目的広場にて、関西で今季最初の大きな合同試走会が行われた。静的審査をの書類提出ラッシュを終えた翌週、さっそくの合同試走会だ。
参加チームは#C01京都工芸繊維大学、#C06神戸大学、#C08同志社大学、#C22大阪大学、#C41立命館大学の5チーム。関西の有力チームが集まった形だ。
走行コースはスキッドパッド、アクセラレーション、周回が設置。周回コースについては、今年からアイチスカイエキスポへ会場変更に伴う新レイアウトで設営された。
どのチームもフルコースを設置しての試走会は今季初。したがってドライバーのコース習熟だったり車両のセッティングもまだまだで、実力を垣間見るには至らなかった。
ただトラブルに関してはかなり少なく、どのチームも多数の周回等を重ねられていた。
天候は、晴れのち小雨。気温は20度前半で、過ごしやすい1日となった。
#C01 京都工芸繊維大学 Grandelfino
2年連続の総合優勝をを提げて望む絶対王者。最終目標の4連覇のため、今年も落とすわけにはいかない。
今年はかねてより計画にあったハーフカーボンモノコック化をしている。リアのパイプフレームも独特な組み方になっていた。またエアシフター、サードダンパー、タイヤサイズ変更などもしている。
ここ数年の傾向とは変わらず、この日も始まりから終わりまで走り続け、おそらく全チーム中最多の周回数となった。午前中にはアクセラをするシーンもあったが、周回コースが用意されると以降は新コースを走り続けていた。
挙動は昨年より落ち着いた様子だが、落ち着きすぎて曲がっていかないようにも見えた。ただ終盤にはいくらか改善されている感じがした。
GDF-19のポテンシャルはいかに、今後に明らかになっていくはずだ。
#C06 神戸大学 FORTEK
昨年総合6位。動的も行われた大会の中では歴代最高位タイを達成した。今年はそれを超える総合3位が目標。
この日はおおよそフルエアロ状態でやってきた。リアウィング変更、そしてサイドディフューザーが新規に追加された。また、目立つ黄色のサージタンクや、ホイールが新たにOZへと変更されている。
午前にはアクセラとスキパを、コースオープンの後は周回へ繰り出したが、トラブルののちエアロを外すとスキパやアクセラのみをこなしていた。
ちなみにエアロのトラブルとは、フロントウィングの路面接触。継続使用しているが、昨年の初めも同じことが発生していた。
吸気サージタンクが変更されたが、パワー感は保持している様子。挙動は見た目アンダーステアな様子。エアロの装着も含め、ここからの調整でどうなるか。
#C08 同志社大学フォーミュラプロジェクト
昨年に魅力的だった「F1サウンド」は、今年は旋回性能の向上という目標に伴ってマフラー部が変更され、少しおとなしくなっていた。エアロは前後とも立体的な形状に。昨年は「上手く行いってなかった」との噂もあったので、改善が図られたことは間違いない。
ちなみに、カラフルな試走会カラーは今年も健在。新たに変更されたOZホイールも、リアは明るい色になっていた。
旋回性向上の目標通りか、昨年よりリアが巻き込むようになっていたように見えた。セッティングに詰まる7月ごろが楽しみだ。
#C22 大阪大学 OFRAC
速さは確実にありながら、ここ2年は車検の面で引っ掛かり満足のいくタイムを残せなかった。今年はアップデート箇所を絞り、2月という東北大と並んでずば抜けたスピードで車両完成。とにかく前倒しにし、結果を残す戦略を採っている。
この日はスキッドパッドと周回走行がメインでこなしていた。
昨年同様に鋭いレスポンスは兼ね備えており、それもあってかピッチング、そしてロールもあり、車体は安定はしていなかった。外す予定のエボサスも搭載のままとなっており、実力判明ははまだまだこれからだ。
#C41 立命館大学 Ritsumei Racing
昨年は1oインチホイール化を敢行したが学内の加工機械が満足に使用できず、あと1週間だけシェイクダウン証明の提出が間に合わなかった。一方で今年は、4月13日と比較的早いタイミングでシェイクダウン。以降は学内駐車場で走行を積み、準備を進めている。
車両は前述の通り10インチホイールに、サスペンションジオメトリーは昨年より変更はないそうで、初回設計の実力が試される。フレームの形状は変わり、一つの特徴だったコックピットサイドの高い位置のバーがスタンダードな位置・角度になっている。エアロは前後未完成、フロントは全面変更、リアはフラップがまだ足りていないそう。
また、今では貴重な3ペダル式も継続されている。
車両挙動は落ち着いていない様子。フレーム剛性かサスセッティングか、車両の回頭性に苦しんでいるように見えた。ただ、音も相まって、エンジンパワーは十分ある様子だった。
2019年以来となる動的審査へ、そして10インチ化などによるポテンシャル向上が発揮できるか、楽しみである。