9月に入りました!大会はもう来週です!

3回ぶりに動的競技が帰ってくる今大会、その動的競技で活躍しそうなマシンをガクエフジェーピーなりにピックアップしました。

今大会の傾向

まず、今年の大会はサバイバル化することが予想されています。

一昨年、昨年に完全な大会ができなかったことでこれまで十数年の経験が途切れていたり、コロナ禍による活動制限でマシンの完成が遅れ、練習走行の量がグンと減っています。

これにより、上位校もマシンの仕上がりに不安を抱えているチームがあるようです。

また、海外チームがいません。状況を鑑み、海外チームのエントリーは停止されています。

逆を言えば、今年は日本勢のガチンコ争いになるわけです。完全なる日本一決定戦、どのチームが注目か。当サイトの独断と偏見でまとめてみました。

注目マシン:速さ編

例年と同じで、速さのあるマシンはもちろん注目です。

#6 京都工芸繊維大学「GDF-17」

最速の最先鋒は16,17年の覇者である京工繊です。この後の安定性編でもトップクラスですが、速さでも先頭を行っています。

日本一早くシェイクダウンを行い、7月のエコパ試走会から安定した走行でデータを採り続けていました。8月のエコパ試走会ではスキパと周回走行では4日間のトップタイムを記録(アクセラは走行マシンが少ないので省)。最も早く熟成が進んでいます。

8月18日の関西支部試走会では、アクセラで点火カットの導入テストをするなど、進化に余念がありません。

ただ、ノントラブルというわけではありません。早くから水温で懸念を抱え、それは改善されつつありますが、新たにエア噛みするトラブルも発生しています。また、一時ブレーキの利きが不安定になるトラブルもあり、このあたりが本番では懸念材料になりそうです。

#5 千葉大学

動的があった前回大会(19年)にアクセラレーションで日本新記録を出した千葉大は、今年もエンジン性能に自信を持っているようです。

7月のエコパからトラブル少なに走行を重ね、8月エコパ試走会の周回走行では2番手タイムを記録しています。64秒台後半でしたが、まだタイム向上が期待できそうです。

気になるアクセラについては、8月の際は走行せず。どの程度仕上がっているのかは、大会でのお楽しみです。

#4 名古屋工業大学「N.I.T-20」

19年大会の覇者、名工大は、今年も軽く、速く仕上がっています。

8月エコパでは、ベストタイムがスキパで5.1秒台、周回は65秒台でそれぞれ3番手タイムを記録しています。ただ、この時はスタビライザーが未装着だったので、まだタイム向上の余地があるとみられます。

しかし懸念すべきは信頼性。8月の際はエンジンの始動性にかなり苦しみ、スタートできない状況が何度もありました。高い気温に弱いとみられており、これが修正できるかが大きな要点になりそうです。

#10 名城大学「MR-20」

名城大は、8月エコパでは66秒台でしたが、ここからの伸びしろがかなり期待できそうなマシンです。

というのも、この試走会はシェイクダウンのたった5日後で、エンジン、足回りのセッティングがあまりとれていない状態でした。それでも大きなトラブルがなく周回できた完成度と、走り辛そうながら66秒台を記録したポテンシャルは、有望だと言えます。

また、ドライバーにも注目です。大学生ながらF4に参戦し、プロドライバーを目指している実力者がステアリングを握っているそうで、彼の走りにも期待です

#30 富山大学「TF-06」

今年度では最速レベルでシェイクダウンを完了した富山大。北陸という土地が幸いし、コロナ禍の影響をあまり受けずに活動できているそうで、走行距離も積んできています。

その分、エコパでは基礎的なトラブルはありませんでした。ベストタイムもスキパ5.1秒台は2番手で、ポテンシャルがうかがえます。

ひとつ心配は、彼らが普段走行している環境と本番のエコパが大きく違うことです。実際に8月のエコパでは、経験したことがない速度域で走行したためダウンフォースでリアウィングが脱落したり、気温が高いせいかマフラー付近から煙が出ることがありました。このような面のトラブルが起きないかは懸念事項です。

#2 大阪大学

昨年2位の大阪大は、今年からフロント部をモノコック化。エコパでは69秒台にとどまったものの、その後の関西合同試走会では速さを確認できました。

今年はマシン製作が大きく遅れ、8/6にシェイクダウンをしました。8月のエコパの走行はその5日後だったため、ベストが69秒台。

そして1週間後の8月関西支部の試走会では、初めての空力パーツ、サイドポンツーンが付くと、一発出しに行った状況ですが京工繊の連続走行中を上回るベストタイムをたたき出していました。この試走会付近では、シャシダイテストを挟み4日間に渡って試走会をするなど、集中的にマシンを鍛えていました。

ここから前後にエアロが付けば、さらなるタイムアップが期待できるでしょう。

#53 東海大学

8月のエコパではマシンは持ち込んだものの、燃料漏れにより走行できず。その後、8/22の富士の5校合同試走会でようやく初走行を果たした東海大。

その日も約半日のみの走行でしたが、ポテンシャルは垣間見えました。鋭い加速が確認でき、スキパではパイロンタッチがあり荒れた走行だったもののいきなり5.06秒を記録していました。

しかし、懸念はこれまでのチームの中で最大です。周回のテストを行えたのはこの富士のみで、試走会経験はこの他に1回だけ。走行距離が圧倒的に少ないのです。

2回でセッティングが最適化が最適化できたのか、トラブル出しは完了したのか。大会が楽しみです。

注目マシン:安定性編

前述のように、今大会はサバイバル化も予想されています。ここではそんな状況でも、十分な速さを持ちつつ安定して完走できそうな優勝候補を見ていきましょう。

#13 日本自動車大学校

シェイクダウン時期がかなり早く、そのあと自校敷地内やエコパで多くの走行を積んできたNATSは、全競技完走が一番確実ともいえるマシンでしょう。

7月のエコパでは贅沢にも1周してはピットで調整というプログラムで走行。8月の際は早めにトラブルで走行終了となりますが、この時期、自校にて週3ペースでテストランを行っていたそうです。

8月中にどこまで洗練されているか、大会では要注目です。

#26 工学院大学「KRT22」

マシン完成を7月のエコパの試走会に間に合わせたKRTは、その後どの試走会でも元気に走っている印象があります。

トラブルを洗い出しながら、どの試走会でも多くの走行を積んできています。燃調や足回りのセッティング、初心者ドライバーの練習にも時間を割き、全体の完成度を高めてきています。

大会に向けて前後にウィングを用意しており、速さでも大化けするかもしれません。

#28 日本工業大学

4月23日にシェイクダウンを行ったFFNIT。この完成の早さからか、8月のエコパ試走会ではかなり安定的に走行をしていました。

初日の朝に2番目で走行を始めると、午後は全チームで初のドライバーチェンジ練習もし、最終的にかなりの走行をこなしていました。2日目も模擬車検を終えるとプラクティスエリアでさらに走行を重ね、騒音テストも受け、すべての機会を存分に利用していました。

「会場では誰よりも目立つピンクのマシンピンクTシャツの集団」に注目です。

最速の称号はどのチームに

動的審査の得点が最も高いチームには「掛川市長賞」が贈られます。そのチームのマシンが「最速」ということでしょう。

20回目の大会で最も速いマシンはどれなのか 当日の観戦では、表示されるタイムに注目して楽しみましょう!