2月1日、「第22回学生フォーミュラ日本大会2024」の初回エントリーリストが発表され、当確やカーナンバーが明らかとなった。昨年に引き続き、80の枠すべてが埋まる結果となった。

2024大会エントリーリスト(2月1日暫定、ガクエフジェーピーまとめ)

ここからエントリー料金の支払いや辞退通告を通して参加チームは変化していくが、この時点での注目点をみていきたい。

第22回大会 大会規則より、エントリーは
(優先順位1)日本国内チーム
(優先順位2)1つの国/地域から1チーム
(優先順位3)先着順
とある。
また、加えて、前年にエントリーしていたチームはカーナンバーに関しては優先されている。
エントリー料金の支払いをもってエントリー確定とされ、未払いや辞退があればキャンセル待ち(Waiting)リストから順次繰り上げられる。

総エントリー数は106チーム

この初回リストでは、国内外含めて総106チームがエントリーしていることが分かった。これは前年の90チーム(同じく初回)を上回る数である。

特に海外チームの増加が著しく、昨年の20から33チームに増えた。海外チームの受け入れが昨年に復活し国際大会に戻ったことで、多くのチームのビジョンに入ったとみられる。また国内チームも、数で言えば3チーム増加している。

ちなみに、今回からICV(エンジン)クラスの車両は「C」がカーナンバーにつくことになった。昨年からEVクラスの数が3割を超えるようになったため、公平さ、わかりやすさを確保するための施策とみられる。

国内チームにも一部変化アリ

注目点、まずは国内チームから。優先条件により、国内すべてのチームがエントリーリスト内に収まることができた。

EV参戦が注目されていた昨年総合2位のC02日本自動車大学校Formula Factory NATSは、昨年にも目指していたEVクラスの参入を今年も見送った。1月半ばの東京オートサロン時点では「両クラスエントリーもあるかも」としていたが、最終判断はICVクラスのみとなった。22年に総合3位、昨年は2位と上げてきているため、今年は否が応でも最上位が期待される。

21年から合同チームを組んだ上智大学・青山学院大学”Eagle Racing”は、今年から両者が単独チームに戻った。E11上智大学Sophia Racingは流れを継ぎEVクラスで、現在京都工芸繊維大学と並んでいる最多5勝の更新を目指す。C60青山学院大学AGRCは合流以前の知見を活かしてICVクラスでの参加、SNSの様子を見るにアイデアや士気があふれるほど溜まっているようだ。

C48静岡工科自動車大学校SAT’S Formulaは、昨年にEV挑戦を目指したが、断念し再度ICVクラスでの参加を目指す。

新規チームは、C63室蘭工業大学がチーム名「室蘭工業大学フォーミュラプロジェクトwith ALTIA」と一般企業の名前を付けて参戦。国内チームとしては名前が冠されるほどの企業との結びつきは稀で、どのように展開されているのか非常に興味深い。またE31旭川高専FRTAも昨年はエントリー除外されているため実質初参戦。今年は車両製作も早々進んでおり、初挑戦の実現が見込まれる。

EVクラス転向はE20富山大学TUFのみ。最高で総合6位まで順位を上げたチームが、勢いをもってEVへ挑戦する。また3つめのヤマハモーターを使用するチームとなる。初年度から全競技完走できるか、チーム力の強さを楽しみにしたい。また同じく北陸にあるE25福井大学FRCも、昨年はエントリー除外をされているため、EV転向後初の大会参戦となる。

C62広島大学とC64大阪産業大学は、エントリーに名前が戻ってきた。また、C36金沢大学、C53湘南工科大学、C55国士舘大学、C57三重大学、E15東京工科大学は昨年も名を連ねていたが、車両は持ち込めずだった。今年こその復帰が待たれる。

一方で、宇都宮大学は今年は名前を消している。また、今年の参戦を目指していると思われた成蹊大学も名前はなかった。

海外チームは?

昨年に引き続き、「F-SAE JAPAN」、国際大会として開かれる。アジア圏唯一の認定された国際大会のため、注目度は高く、7チームの残り枠になかに33チームが殺到した。

最注目は、昨年にも名前があった2023年タイ大会優勝のC52カセサート大学、2023ロシア大会EV1位のE30モスクワ国立工科大学、2023台湾大会優勝のE23国立台湾大学、そして昨年のデザイン審査3位のE06同斉大学の4チームだろう。またキャンセル待ち(Waiting)リストには、2023年オーストラリア大会EV1位のE39カンタベリー大学、2023年中国大会でICVとEVで優勝しているC50・E21の吉林大学、その他中国大会、台湾大会の上位が集まっている。各地域の強豪が集まったといえるだろう。

他に、圏内には、昨年も参加のE07セプルーノペンバー工科大学が再び名を連ねた。またバングラデシュからE33ラジャシャ工科大学、カザフスタンからSatbayev Universityが初めて名乗りを上げた。ちなみにカザフスタンからは初めてのエントリーとなる。

昨年総合10位のソンクラー大学は、新しく挑戦するEV車両を引っ提げて参戦する。ただし、キャンセル待ちリスト9番目に位置しているため、厳しい状況だ。

 

現状、国内チームが数を増やしたおかげで、最大枠数の80のうち73が埋められた。結果、前年より増えた33チームに上った海外チームのエントリー希望は、たった7チームに含められることになっている。倍率は4.7倍だ。

新会場アイチスカイエキスポの会場や、予算、スタッフ数のキャパシティ次第ではあるが、もしかしたら今後、エントリー上限の拡大が願われるだろう。