8月2日、「第20回学生フォーミュラ日本大会2022 報道記者向け発表会」が開かれ、今大会の概要が発表された。
いまだコロナ禍にあるが、3年ぶりの開催を強く願い、実現させる主催側の姿勢が表明された発表会であった。
大会概要
開催場所は変わらず、静岡県、小笠山総合運動公園(エコパ)だ。
第20回を迎える今大会は国内の学校にエントリーを限定、69チームが参加する。
日程は9月6日から10日までの5日間開催。前2日間で車検、後3日間で動的審査が行われる。加えて4日目にデザインファイナル(後述)、最終日に表彰式が予定されている。
比較的、例年通りの大会が戻ってくるようだ。
3つのトピック
今大会には3つ、注目すべき点があるという。
・オンライン静的審査
昨年と同じく、今大会も静的審査はオンラインで行われる。
コロナ禍以前は静的審査もエコパでの現地開催だった。しかし今年は、デザイン審査の上位チームの最終決戦であるデザインファイナルを除き、すべてオンラインでの審査ということになった。
もちろん新型コロナウイルスの感染対策が理由だが、オンライン特有のテクニックなども問われるようになりそうだ。
・進むEVシフト
学生フォーミュラにはICV(内燃機関)クラスとEVクラスが存在するが、時勢の流れもあり、ICVクラスからEVクラスへ転向するチームが増えている。
今大会からは静岡大学、上智&青山学院大学、横浜国立大学、愛知工業大学がEVクラスに転向し競い合う。
これにより、日本チームではEVマシンは19年、21年は12台だったのが、今大会は過去最多の14台が参加することとなった。来季すでにEV転向を決めている学校もあり、EVクラスはさらなる盛り上がりが期待されている。
・3年ぶりの現地開催
新型コロナウイルスが蔓延し始め、19年の大会を最後に、エコパでの現地開催は途切れている。20年は大会中止。21年はオンラインで静的審査のみで開催、後日公式記録会という名目で現地での走行は行われた、という状況だ。
そのため、現地での大会開催は3年ぶり。主催する自動車技術会は、是が非でも現地開催を願っている雰囲気だった。
これに加え、本大会ではなるべく多くのチームが参加できるよう、エントリー枠の制限が撤廃されているという。事実、エントリーすべてのチームが参加できているようだ。
また、大会参加書類(静的資料)についても、緩和がなされている。実験データが必要になる書類に関して、コロナウイルスによる活動制限が撤廃されてからの提出を許可、つまりは遅延を認めるようにしたという。
そして、現地テスト走行の機会である合同試走会では、模擬車検が実施される。経験が少ないチーム、コロナ禍で引継ぎがうまくいっていないチームが車検落ちを喫し、久々の大会で走行ができなくなることを少しでも防ぐためだ。
チームも待ち望んだエコパでの大会に向け、運営側もサポートを充実させている。
この後、現地・オンラインで参加チームのマシン紹介が行われた。長くなるので「その2」にて。