日本大会まであと1ヶ月半ほど、新型コロナウイルスがさらなる流行の兆しを見せる中、学生フォーミュラ関東支部主催の試走会が本番と同じエコパ(小笠山総合運動場)で開催されました。引き続き2日目のレポート(その1)です。

 

エコパはこの日も快晴。日中の気温は間違いなく30℃を超えていました。風は昨日よりは弱くなり、絶好の試走会日和でした。

この日、マシンを持ち込んだのは千葉大学、名古屋工業大学、日本自動車大学校、工学院大学、早稲田大学、東京大学、トヨタ東京自動車大学校の7校。愛知工業大学は見学のみの参加、名城大学は不参加となりました。

同じく午前中はアクセラレーション、スキッドパッド。午後はエンデュランスのプログラムでした。午後にコース上でオイル漏れがあり30分ほど走行中止になりますが、常にコースはオープン、最終的に全校がコースを走ることができました。

その1では千葉大学、名古屋工業大学、日本自動車大学校、工学院大学の様子をレポートします。

千葉大学

今年もエンジンに注力しているという千葉大学

この日、良くも悪くもノントラブルで終えられたのは千葉大学でした。

エンジン始動チェックをこの日のトップで通過。制動テストは2度挑戦しますが、2回ともリアタイヤがロックせず。しかし、この日分は合格をもらいます。

午前中はまずスキッドパッドを3本、その後アクセラレーションを3本(当方調べ)を行っていました。アクセラでは得意のエンジンが素晴らしい高音を奏でていました。

遠目からも、見事な排気管の存在が際立っている

午後は3台目にコースへ出ると習熟1周、5周。ドライバーを替え1周、5周。その後もドライバーを交互に替えつつ、最終的に計22周を走破しました。目立ったトラブルはなく、スピンも1度見られただけでした。

名古屋工業大学

これまで100km弱の走行を重ねられているだけあって、エンデュランスコースで最速タイムを出したのは名工でした(名工調べ)。エアロをまとったマシンは見ごたえがあります。

完全なエアロをまとった名古屋工業大学
かなり攻めたという地上高。走行中にエアロが地面と接触していた

到着が少し遅れたため、午前中はエンジン始動チェックのみ完了。午後イチで制動テストに向かい、リアが微妙との判定でしたが、両輪ロックしました。ちなみに2日目で両輪ロックしたのは、あと日本自動車大学校のみでした。

して、エンデュランスコースへと繰り出しますが、習熟1周を終え次のスタート地点に立つとエンジンが始動せず。一度ピットへ戻ります。

話を聴くと、センサーのトラブルで火花が飛んでいなかったとのこと。長時間にわたり修復作業をし、日程の最後にようやくコースへ出ます。

新品タイヤの感触を確かめつつ、5周の走行をし終了しました。それでもシフトが上がり辛かったり、フロントウィングの翼端板を擦ってしまうなど、今後に向けてのトラブル出しはできたと言えます。

最終走行後。タイヤには線が見える

日本自動車大学校(NATS)

ノンエアロの実力校は、学校内で走行を重ねてからのこの日となりました。すでにマシンの完成度は高く、一番スムーズなテストができていたという印象でした。

傍目にもきれいに製作されているNATS

2番目にエンジン始動チェックをクリアすると、制動テストではこの日初の4輪ロックもクリア。この時の発進はホイールスピンさせるほど勢いが良く、走り込めているのがわかります。

減りやすいというブレーキパッドを交換した後、午前中はスキッドパッドを4本走行していました。

細かく走行を繰り返し、何かを調べていた

午後は先頭でエンデュランスコースへ出ます。1周のみの走行を繰り返し行っていました。ハンチング問題を抱えていたようですが、他にも測定したかったことがあったようで、16時までには1~2周のみの連続走行で終えます。

最後の走行では2周目にスピン、そのままエンジンの始動ができず終了となりました。

工学院大学

まだ15m程度しか転がしていないマシンで、当日早朝も製作をしてこの試走会へ臨んだという工学院大学。しかし、望外なほど走行をできたのではないでしょうか。

当日まで製作が続いていたという工学院大学
特徴である両側ツインのラジエーター、少々課題が見つかったようだ

一番に整備を終え暖気エリアへ向かいますが、水漏れが見つかり一度戻ります。その後、エンジン始動チェックはクリアしますが、ブレーキのマスターシリンダに問題があったようで、4輪ロックはできず。とりあえずこの日分の合格はもらいました。

そして、午前中の走行を先頭で始めます。アクセラ1本、スキパ2本をこなし、その後スキパ2本をこなしていました。エンジンがばらついたり、水温が上がり切らないなどはありましたが、いずれも致命的ではありませんでした。

午後は19年に使用したカウルをつけて走行していました。

カウルが付いたことでかっこよくなったし、目が悪い私でも他と見分けやすくなった

まずはエンデュランスコース1周を2回こなします。この時は下ろしたてとは思えないくらい豪快な走行でした。その後、5周の連続走行に入っても勢いのある走行をしますが、ゴールした時点で冷却ホースが破裂、水漏れを起こしてしまいました。

ゴムの接続部分が破裂している、アフターボイルだったという

この処置が時間内に間に合い、もう一度コースへ出ることを決めたようで、最後に5周の走行をして、この日を終えていました。

 

昨年の記録会が10月だったため、今年は冷却能力の想定が難しくなったという工学院大。もし大会当日が夏日、真夏日になると、冷却系にトラブルを起こすチームが続出しそうです。

 

⇓7月エコパ試走会 その2(早稲田大学、東京大学、トヨタ東京自動車大学校、愛知工業大学)に続きます。