2月に入り、ついに2023年日本大会へのエントリーが発表された。Pending List(暫定発表)ではあるが、既にコロナ禍前の大会規模が戻ってくることを期待させている。
Pending/Waitingリスト 2023.02.01(公式PDF)
2023チームリスト2023_02_03(ガクエフジェーピーまとめ)
80チームの枠がすべて埋まる
2019年のエントリー数は98チームに上っていた。しかしコロナ化を経て、20年中止、21年は61チーム、前回22年は69チームだった。エコパのキャパシティが余る寂しい状況だった。
それが、2023年は海外チームの受け入れを承諾したこともあり、枠はすべて埋まった。エントリー上限である80チームをとうに超え、90チームがエントリー希望を提出した。キャンセル待ち状態だ。
チーム種類もバラエティ豊か。国内外両方で日本大会初参戦のチームが存在、国内5チームがEVへ転向、その結果国内EVチームは過去最高エントリー数を更新など、トピック溢れる発表となった。
気になる国内の復帰&新規参戦チームたち
コロナ禍の締め付けを脱しつつあることに合わせ、いくつかのチームが帰ってきた。
まずは#E17宇都宮大学と#E18一関高専/岩手大学(岩手連合)だ。宇都宮大は初年度から2018年まで継続参戦し、11年などに5位を獲得している。岩手連合は参戦2年目の16年にはEVクラス1位を獲得している。コロナ禍以降は参戦がなかったが、かつての有力チームが戻ってくることになる。
また、#46湘南工科大学は14年以来の参戦だが、近年モノコックマシンでエントリーしようとした動きがあった。#E16静岡工科自動車大学校は21年以来となるが、新たにEVでのスタートとなる。モーターはデンソー製。
そして新規チーム。#49東北学院大学と#E20旭川工業高等専門学校だ。どちらも北日本チーム。雪降る地域でもアツさは拡大している。
一方で、いくつかのチームが今年は参戦しない見込みだ。事前発表があったトヨタ東京自動車大学校に加え、九州大学、神奈川大学、麻生工科自動車大学校、大阪産業大学、崇城大学は名前がなかった。いつかの復帰を期待したい。
ますます増えるEVチーム
昨年、4大会続いた名古屋大学のEVクラス連覇が途切れ、#E01の称号は静岡理工科大学の手に渡った。
そのEVクラスは昨年14チームと国内EVチームの過去最多参戦を記録したが、今年は20チームとさらに数を増やした。
新たにコンバートしたのは#E02山梨大学、#E03東京大学、#E05名古屋工業大学、#E06福井大学、そして静岡工自大、宇都宮大だ。
そして、コロナ禍という苦境もあり、昨年にマシンを持ち込めなかったチームも多い。#E14上智/青山学院大学、#E15東京工科大学、#E19横浜国立大学がそれだ。コンバート勢に加え、これら実質初年度となるチームたちがどうEVの壁に挑んでいくのか、必見だ。
一方で、#3日本自動車大学校はそのEVの壁をじっくり壊していくことに決めた。当初はEV参戦を目論んでいたが、最終的には今年もICVで参戦することにした。この腰を据えたやり方が今後の正規手順になるかもしれない。
海外チームの受け入れ開始
そして、コロナ禍前の2019年以来、4年ぶりに海外チームがやってくる。日本大会の運営側も、初めから海外チーム受け入れ再開に積極的だったとみられる。
2月2日時点で、6か国20チームが名乗りを上げている。これにより上限80チームを超え、多くのチームがあぶれてしまっている。(残念ながら、エントリーが遅かった超過10チームはキャンセル待ちとなる)
名乗りを上げたチームの顔ぶれは、多くが19年からの(飛び石だが)継続参戦となる。人によっては馴染み深い名前が並んでいることだろう。チームとしても、ある程度勝手知ったるコースとなる。
一方で、6チーム(参加見込み枠内では2チーム)が日本大会初参戦だ。特に、#E24 Bauman Moscow State Technical University EV は、史上初ロシアからの参戦となる。自国内で連覇を重ねるチームのようで、その実力が楽しみである。
総じて、海外チームはヨーロッパ等、別地区の大会にも出場をしている場合が多い。海外を知るチームが21.3世紀の「FSAEJ」をどう戦うか、楽しみである。
カーナンバー | エントリーリスト | 国籍 | 初 |
51 | Prince of Songkla University | タイ | |
52 | Khulna University of Engineering & Technology | バングラデシュ | ○ |
53 | Harbin Institute of Technology at Weihai (ICV) | 中国 | |
54 | Universitas Negeri Yogyakarta | インドネシア | |
55 | Tongji University (ICV) | 中国 | |
56 | Universitas Sebelas Maret | インドネシア | |
E21 | Institute Teknologi Sepuluh Nopember | インドネシア | |
E22 | Tongji University (EV) | 中国 | |
E23 | National Tsing Hua University | 台湾 | |
E24 | Bauman Moscow State Technical University (EV) | ロシア | ○ |
以下、保留(Waiting)リスト | |||
57 | Kasetsart University | タイ | |
58 | Jilin University (ICV) | 中国 | ICVは初 |
59 | Bauman Moscow State Technical University (ICV) | ○ | |
60 | Universitas Gadjah Mada | インドネシア | ICVは初 |
E25 | Harbin Institute of Technology at Weihai (EV) | 中国 | |
E26 | National Cheng Kung University | 台湾 | |
E27 | National Taiwan University | 台湾 | |
E28 | National Yang Ming Chiao Tusing University | 台湾 | ○ |
E29 | National Taiwan University of Science and Technology | 台湾 | ○ |
E30 | Jilin University (EV) | 中国 |