今年も報道関係者向け発表会が行われ、学生フォーミュラ日本大会の概要が発表された。
事前に学生フォーミュラホームページで公開された通り、日程は8月28日~9月2日の6日間。開催場所は例年通り、静岡県袋井市 小笠山総合運動公園エコパのP9だ。
発表会では、まず大和田大会実行委員長による概要の説明から始まった。その中で今年の大会の注目点として3つのことが挙げられた。
①国際大会としての再出発
2003年の第一回大会からずっと海外チームの参加を欠かなかった日本大会だが、21、22年はコロナ禍の渡航制限のため、海外チームの受け入れを断念していた。受け入れは4年ぶりのことになる。
日本大会をターゲットとしている海外チームとしては、待ちに待った開催。エントリー時点から応募が殺到し、一時は定員上限を超過していた。7月20日時点では静的書類の提出を経て、5地域7チームの参加となっている。
規模、活動形態が異なる海外チーム。どのような戦いぶりを見せてくれるだろうか。
②EVチームの台頭
EVクラスができてから、今年でちょうど10回目の大会となる。大会運営の活動の成果か年々EVクラスが占める割合は増えており、今年はついに全エントリーの30%を超えるに至っている。
大和田委員長はは「25年には全エントリーの半分を超えてほしい」と話した。
EV車両の総合優勝が見られるのも近いのかもしれない。
③一般来場者の観戦を復活 来場制限なし
昨年はコロナ禍中で行われた唯一の現地開催だったが、一般来場者の観戦にはバブル方式などの制限があった。今年はこれがなくなり、例年に近い様相となる。
昨年は訪れることができなかった企業PRテントや、車検エリアの横なども解放される。例年のように楽しめる大会となりそうだ。
「間近で学生たちの熱い戦いに声援を頂けたらと思う」と、一般来場者への思いを述べた。
そして最後に「20回を超えてもなお加速していく大会にしたい」と、大会運営への意気込みを語った。
その後は、現地とオンラインに集まったチームによるチーム紹介が行われた。細かい内容については、今後公開される発表会のYoutube映像や、当サイトのガクエフマガジンでの紹介を参照していただきたい。
#E01 静岡理工科大学
昨年のEVクラス優勝者であり、日本一大会会場に近いところに大学がある。今年はチーム歴代最高順位の8位を超えるということとともに、EV部門 動的審査1位という目標が語られた。またアピールポイントとして「インバーター、モーター、デフのすべてが完全別の製品でできており、パワーが出るようになっている。それを生かしたアクセラや加速部分を楽しんでいただけたら」とした。
#E07 静岡大学
EV2年目を迎えるチーム。マシンコンセプトに「発揮」、チームコンセプトに「克己(かっき)」と置き、昨年度を超えるべく進んでいる。「かなりアップデートをしています、特にリア周りやエアロなどに。部員数が70人ほどになり、大会ではたくさんのオレンジTシャツ姿が見られるので、ぜひ話しかけてください」と、アピールした。
#E16 静岡工科自動車大学校
今年よりEVクラスへと移行する。基礎・基本を大事にする、また電気自動車が台頭し始める新時代に向けてという意味も込め、マシンコンセプトを「New Normal(新常態)」とした。アピールとして「メンバー全員が整備し免許を持っているので、(整備面で)触りやすい車両に作れることが強みです」と、自動車大学校らしさを語った。
オンラインでは、全国5チームが発表を行った。どのチームも発表資料、内容が秀でていたので、後日公開されるであろう動画からぜひ見てみてほしい。
#1 京都工芸繊維大学
前の発表資料で「ダントツ優勝」とされていた昨年の優勝校。改めて「4連覇の向けてのロードマップを作成した」ことが発表され、今年は低速域での速度向上が図られていることが話された。「各メンバーがそれぞれのパーツを担当しており、各パーツが(目標から)ブレずに、チーム全体で一つのことに向かっていけている」と、強さの要因をほのめかした。
#6 富山大学
昨年に36→6位という大躍進を遂げたチーム。今年のコンセプトは「飛燕 改」とし、高速コーナー部の向上を目指し様々な開発をしていることが話された。「黄色のマシンが、太陽の照り付けるエコパを疾走する姿を見てほしい」と、国内唯一の特徴のカラーリングをアピールした。
#21 新潟大学
昨年に感想を果たした少ないチームのひとつ。10インチホイール化に即したタイヤの装着や、オイルパンカット、フレームの下面のフラット化など、今年の車両の変更点を発表した。「10インチホイール化の良いところ、重心の低さや旋回性の高いところを見てほしい」と、マシンの性能向上をアピールした。
#E03 東京大学
今年EV1年目を迎える名門チーム。リア2モーター式やリジッドアクスル、バッテリーの搭載方法など、特徴的なマシンづくりをしていることを話した。昨年の買ってきたものを付けるマシンづくりから変わり「しっかりと作っているところ」や、「(EVクラス)1年目ならではの元気さ」を見てほしい、とアピールした。
#E04 名古屋大学
一昨年までEVクラス王者をキープし続けてきたチーム。モノコックフレーム、4輪インホイールモーター、そしてトラクションコントロールなどの国内唯一のパッケージ、システムを持っていることが発表された。「動的競技のパフォーマンスや、左右モーター(タイヤ)の動きの違いに注目してほしい」と話した。
改めて、学生フォーミュラ日本大会2023は8月28日~9月2日の6日間。走行競技は8月31日から行われる。