5月27日、北九州カートウェイにて九州支部合同試走会が行われた。参加チームは九州工業大学KIT-Formula、久留米工業大学フォーミュラプロジェクト、北九州市立大学KF-works、日本文理大学チームの4校。

九州を引っ張るKIT-Formulaが、トラブルを抱えつつもいい走行を見せてくれた

北九州カートウェイ(通称:KKW)

福岡県北九州市のにあるサーキット。ホームページには「大小11。日本国内屈指のテクニカルなコーナーを有するレンタルカートコースです。」とあるように、複合コーナーや多少の勾配がある。路面はカートコースらしく綺麗。

この日の天気は晴れ。気温は25℃程度だった。

#18 九州工業大学KIT-Formula。

8年ぶりの一桁順位を目指す九州のリーダーチーム、九州工業大学KIT-Formula。今年の車両「KS-19」は、低重心化と径16インチのタイヤの装着が昨年からの大きな変更点となる。

新車両「KS-19」
タイヤ直径を16インチのものに変更した
インコネル合金を使い、3Dプリンターで製作されたエキマニ

この日は16インチフージャータイヤの初装着。これまでは昨年の18インチで走行してきたが、ついに本番仕様のものを下した。これに合わせ、シェイクダウン証明の撮影も完了させた。

本番の姿に近づいたということで今年の車両の感触を尋ねると、まず聞こえてきたのは「明らかにっ重心が下がった」ということ。外から見ていても、地を這うように走る姿が印象的だった。また「ロール量が減った」「(旋回が)鋭くなった」など、車両の動きは昨年とはかなり異なる様子。

そして、コンセプト「駆け抜ける喜び」が狙い通り成し遂げられているようだ。「ステアリングが軽くなった」「(ファイナル、タイヤ径の変更から)エンジンの高回転を使うようになり、扱いやすくなった」と、ドライバビリティの向上について語った。ドライバー練習が限られる中でも、ポテンシャルが発揮できるものに近づいたと言える。

また、最後に多くの時間を乗った遠藤氏が「ずっと乗っていたい」と言ったのは印象的。

この日はいくつかのトラブルに見舞われ順調な日とはならなかったが、本番仕様の車両パッケージが好感触であることを感じることができていた。

#19 久留米工業大学フォーミュラプロジェクト

この日持ち込まれたもう一台が「F1-23」だ。昨年のコンセプト「シンプル&ベーシック」を継ぎつつ、コーナリング性能の向上を狙っている。

23年車両「F1-23」
前後重量配分の改善で、微妙な変化だが燃料タンク等が後ろに移動している
昨年あり合わせだったマフラーが変更されている

この前日にほんの少しだが初走行をしこの日に臨んでいたそう。だが一発始動していたエンジンが、この日はなぜか掛からない。単気筒の気難しい始動性が、この日に限って顔を出した。1日を通してこのトラブルと格闘したが、この日は思った通りに行かず。シェイクダウン証明の記録が叶わなかった。

まだ切り替わっていないパーツがいくつか見られたので、より“ニューマシン”に近づく次の機会に期待したい。

#37 北九州市立大学KF-works

会場となった北九州カートウェイから程近くに位置する北九州市立大学KF-worksは、この日は新車両「KF09」を間に合わせることができなかった。そのためこの日は運営協力やカート練習、交流会のみの参加となった。

現在、フレームはあらかた溶接が終わっており、あとは下面、そしてブラケットを付けるという段階にいるという。

大きな成長を狙っているだけに、その完成には期待したい。

日本文理大学

さて最後に、学生フォーミュラ界では聞きなれない名前が現れた。大分県大分市にある私立「日本文理大学」、その学生らが見学に訪れていた。

というのも、早ければ2025年からの学生フォーミュラ参加を計画しているそうだ。現在は研究室の主導で活動が進んでいるそうで、かき集めたメンバーは20人程度に上っているそうだ。クラスはICVを予定しているという。