学生フォーミュラとは?

学生フォーミュラの1年とは? ~マシンを作るプロセス~

このページでは、学生フォーミュラ生が過ごす1年について解説します。

新チームの始まりは大会直後

9月1週目、5日間の大会が終わると、間もなくチームは代替わりをします。9月中にはチームリーダーなど新しい役職者が立ち、新チームが発足するのです。

新チームに変わると、チームは大会結果などの報告会を開いたり、スポンサーへの挨拶回りをしたりします。報告会は一般の方が聞ける場合もあるので、チームからの発信に注目しましょう。

9月~翌1月:設計期間

設計に始まりは「コンセプト決め」です。チームは新マシンの方向性表すを一言、1ワードを決めます。この一言に沿って、これからのマシン開発が進んでいきます。

静岡理工科大学、2022年度のコンセプト(報道関係者向け発表会より)

そして、開発していく箇所を決めます。前年度の弱点だったり、新たにチャレンジしたいことを確定させます。そのうえで、新しいマシンの細かい設計を進めていきます。

また、11月初旬には多くの学校が学校祭を開催します。そこではほとんどのチームがマシンの展示をしたり、場所があればデモ走行を行ったりと、一般に向けてアピールします。気になるチームにはぜひ足を運んでみるといいでしょう!

2月~8月:製作期間

1月は基本的に期末テストがあるので、活動は落ち着きます。それが明ければ春休み、マシンの製作期間に入ります。

どのチームも4,5月の初走行(シェイクダウン)を目標に、冬の間にマシン製作を一気に進めます。早く完成すればするほど、マシンのテストランに時間を割けるからです。この製作期間がどの程度予定通りにいくかどうかは、後々の予定に大きく響いてきます。

まずはマシンを転がせるよう、フレームや足回りなどが最優先されます。その他、外注するパーツはその納期を見越して、速めに注文をします。とにかくシェイクダウンに向け、すべてを集中させます。

一方で、特にエアロやカウルはなくても走行ができるため、製作は後回しです。8月に大会会場・エコパでの合同テストランがあるため、そこまでの完成を目指します。つまり、この製作期間は実質8月まで続くのです。

ちなみに、2月は大事な大事な大会エントリーを行います。チームとしては絶対に忘れてはいけないタスクです。

カウルがまだできていない状態でも走行を始める

そして春、マシンのシェイクダウンにこぎつけます。この時は見かけはホネホネスカスカ、古いマシンからパーツを流用したりしながらも、マシンの初走行を行います。学生フォーミュラではマシンのトラブル出しだったり、実走行でのパーツテストが重要になるので、少しでも長い期間テストをしよう我先に走行を始めます。

また、チームは「シェイクダウン証明」という動画を提出する必要があるので、大概の場合はSNSでシェイクダウンの様子が共有されます。それがファンの楽しみの1つです。

シェイクダイン証明を撮っている様子

4月~8月:書類提出、テストラン

4月、新学期が始まると、まずは新人勧誘です。チームメンバーは多いに越したことはないので、新歓は大事な活動です。毎放課後にマシンを展示し、活動の魅力を伝えます。場合によっては乗車体験をさせたり、シミュレーターをおいたりし、手厚く歓迎します。

さて、その間も製作やテストランに勤しむわけですが、6月は「静的書類提出」という大事な行事があります。

6月には静的3種類の提出物「コストレポート、デザイン書類、販売プレゼンテーション書類」の提出が一気に来ます。それぞれ重要性は高く、遅延はペナルティ対象のため、チームの全キャパシティを注いで対処していきます。期限内に提出できれば大きく一息、一安心です。

暑くなってくれば、テストラン全盛期です。ちなみに学生フォーミュラでは、特に関東において合同テストランを「試走会」と呼びます。8月、夏休みに入るとエコパでの恒例試走会を始め、全国各地で走り込みが行われます。マシンの足回りやエンジンのセッティングを合わせたり、トラブルを吐き出して対策したり、実走行で大会へ向け調整していきます。

エコパでの試走会には特に多くのチームが集まり、大会を想定したコースが設置される

こうして、大会期間を迎えます。

8,9月:大会

大会は、例年9月の1週目に計5日間で行われます。

まずは静的審査です。2019年以前はこの5日間の中に静的審査が含まれていましたが、2022年は8月下旬に分離し、オンラインで行われました。この方式がスタンダードになりそうなので、この前提で説明していきます。

8月の終わり、チームはオンライン上でコスト、プレゼン、デザイン審査の口頭試問に臨みます。それぞれ日を分けますが、約1週間の中で3審査を受けるので、準備を含め忙しさで終始です。静的審査は非公開なので、現地5日間中に発表される審査結果を待ちます。

そして9月、ついに大会が始まります。チームは旅の支度をし、現地へ向かいます。マシンや道具の運搬方法は様々で、関東、近畿のチームは基本的にトラックで運びますが、北海道や九州に学校があるチームは船や貨物列車で輸送したりします。また、人は飛行機で来る場合もあるそうです。

大会の5日間は、初日2日目で車検、3日目から動的審査が始まるのが通例です。動的審査は3日目にスキッドパッド、アクセラレーション、オートクロス、4,5日目にエンデュランスが行われます。また、デザインファイナルは4日目午後に行われます。チームが休まる暇はなく、車検対処、練習走行、車両整備と常に大忙し。エンデュランスで走らない1日や、走り終わった後にようやくゆっくりと大会を楽しむことができます。

例年の大会スケジュール


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