2週続けての泉大津の試走会。プログラム等に大きな違いはないが、先週とは違い”関西支部”の本格的な運営が入る。

工事が入るために、大会前最後となりそうな泉大津での試走会。トラブルは相次いだが、その中でも関西勢の仕上がりの高さが見えた部分もあった。

#1 京都工芸繊維大学Grandelfino

この日は先頭で走行開始。燃料補給以外は常にトラックサイドから離れず、順調な様子が見て取れる。

午前はスキッドパッド、アクセラを走行。アクセラでは、ウィングを低ドラッグにしたり、点火カットのチェックを行っていた。タイムは4.2秒を記録し、滑る路面でも昨年大会を上回るタイムが記録されている。

午後の周回では、気温の高さを利用し10+10周のエンデュランスシミュレーションを実行した。しかし、ドライバー交代後数周したところで異音、なんと吸気サージタンクの破損が発生していた。結果、ここでこの日は終了となった。計24周(手元集計)を走行した。

サージタンクは今年に新しくしている。幸か不幸か、今トラブルが明らかになったことで、今季唯一のエコパとなる来月の試走会が絶望的になることは避けられたといえる。問題は、2か月切った大会までに新しいものが間に合うかどうかだ。

#17 同志社大学DUFP

前日は走行できていたというが、この日は電気系トラブルに見舞われた。作業は長時間にわたり、この日の大半はテント下にこもることになった。

ただ15時半を回った頃に走行開始。新品タイヤを下すことはできなかったが、計6周を走行しマイレージを稼ぐことができた。

車両の調子はポジティブ。今年仕様のマフラーを取り付け、騒音に余裕があったことからバッフルを減量して走行できたという。その結果、甲高い音や、高回転の伸びの良さがうかがえた。高回転は今年重視している部分であり、開発がなされているのは確実だ。

ちなみに、先週言及したエアロは、今週はお預け。来週に京工繊とともに日本初の学F車両のフルサイズ風洞試験を控えていることがあり、「壊れないように」とリアの低い位置のウィングのみを装着して走行していた。

#20 神戸大学FORTEK

この日、一番ポジティブだったのはFORTEKだろう。

朝から燃料系のトラブルに見舞われていたが、11時頃に走行開始。驚いたのが、昨年や先週とは見違えるようなエンジンパワーを携え走行していた。いうなれば、ホイールスピン大会となっていた。

ワケを聴くと、この日の午前中に電気トラブルを直すことができ、昨年から悩んでいたパワー不足を復旧することができたということだそう。「2気筒から4気筒に戻った」と復旧具合を表現し、国内最低サイズのタイヤを履いていることもあって、パワーの持て余し具合が半端ではなかった。

その結果、午前のアクセラでは4.17秒を記録。またスキッドパッドでは強大なパワーから、むしろ乗りづらそうにも見えた。

午後の周回では、京工繊と同等のラップタイムで周回していた。強大なパワーのため走りにくそうではあったが、一定の安定感は持ち合わせているように思えた。

また、この日はリアウィングに糸を付けた空力試験も実施、新しいウィングの性能を調べていた。エアロについて言うと、フフロントウィングの取り付け強度不足から先週より地面との接触が続いているが、エアロを外した状態では大アンダーステアとなっているため、地面との距離でダウンフォースを稼ぐことがかなりうまくいっているように見える。

#25 大阪工業大学O.I.T. Racing Team REGALIA

前日はエンジンが始動したというが、この日は吹けないトラブルに見舞われ、走行することができなかった。ECUをモーテックから昨年のサブコンに戻す試みもしたが、この日に直ることはなかった。

とはいえ会場に持ち込めたことで、様々な人のアドバイスをもらうことができていた。各所に改善や軽量化が見えた「REG-16」。次回は走行を楽しみにしたい。

今年は単気筒エンジンの性能を出すためにサージタンクを装着。昨年とは全く違う走りになっているに違いない

#39 岡山大学OUFP

シェイクダウン含め、今回が3回目になるという「OUFP-18」。エンジンが掛からないことなどもあって15:30過ぎからの走行となったが、周回を6周走行した。

今年は十分はやシェイクダウンを果たし、早い時期であるにも関わらずこの試走会で走行することができた。コロナ禍でほぼゼロに戻ってしまったチームは、昨年から着実に進歩している。

人為的なミスはあったものの、車両の信頼性は十分高く見える。走行に関しても、単気筒ならではの軽量な車両になっていることがうかがえた。他競技の走行などでパフォーマンスが明らかになるのが楽しみだ。

人為的ミスは「ホイールナット脱落」。すぐに赤旗掲示で事なきを得たが、皆さまお気を付けを…

#47 大阪公立大学 中百舌鳥レーシング

先週に3年半以上ぶりにマシン走行が叶った中百舌鳥レーシング。この日はステアリング系部品で干渉が見つかったため学校で製作し、最後になんとか間に合うことができた。

先週にトラブルで断念となった周回走行に臨んだ。初心者ドライバーということで恐る恐るの走行となったが、猛暑の中無事に2周を完走。大会に向け、着実に歩を進めている。

次回のは1週間後、富士スピードウェイの駐車場にて試走会が行われる。観覧も一応可だそう、詳しくは「関東学生フォーミュラ連盟」まで。

各車両の詳細ポイントは「ガクエフマガジンvol.06」(7月7日公開予定)にて!