6月24日、関西にあるチームが泉大津に集まり、それぞれのテストプログラムをこなした。
参加チームは、#1京都工芸繊維大学Grandelifino、#17同志社大学DUFP、#20神戸大学FORTEK、#22大阪大学OFRAC、#25大阪工業大学O.I.T. Racing Team REGALIA、#47大阪公立大学 中百舌鳥レーシングの6チーム。
会場:泉大津フェニックス多目的広場
走行場所は、関西のチームでは定番である「泉大津フェニックス多目的広場」。
広大なアスファルト敷なため、学生フォーミュラ車両の走行場所としては問題ない。ただ、石や砂利が多くあるのが欠点で、エコパよりも路面が滑りやすい。
午前にはスキッドパッド&アクセラ、午後には周回コースも追加された。天候はは一日中曇り気味。気温は25℃程度だった。
#1 京都工芸繊維大学Grandelfino
昨年大会に圧倒的な総合優勝を収めたGrandelfino。今年は連覇に向け、毎週のようにテストランを繰り返している。
それが表れるように、午後の周回では参加チーム中最多周の45周を走りこんだ。午前のスキッドパッドやアクセラ、午後の周回と合わせてもトラブルがあった様子は見られず、もう完全にスピードを追求するフェーズにいる。最後には、6月にして早くもエンデュランスを想定した10+10周の走行も行い、問題なく完走していた。
外から見ていても感じれたが、ドライバーとしても今年のマシン「GDF-18」に大きな変化はなく、昨年車両がブラッシュアップされた感触だという。ただ確実に良くなっており、特に手を入れた低速コーナーの改善がエコパではどう発揮されるかが気になるところだ。
全国一を目指して、全国一の努力がなされているのは間違いない。
#17 同志社大学DUFP
話題にはならなかったが、4月中にはシェイクダウンを済ませていたというDUFP。新車両「DF-23」は、昨年車両とは大きく異なっていた(詳しくは7月7日のガクエフマガジンvol.06にて)。
この日はアクセラのセッティングと、周回でのドライバー練習を繰り返していた。
周回に関して言えば、10周連続走行もこなし、京工繊、神戸大に次ぐ26周の走行を果たした。「メカトラブルが減った」というこどで、終日安定した様子がみられた。走りについても、まだ本番仕様からは遠いものの、素のポテンシャルはありそうだった。
来週の試走会に向けエアロの準備が進んでいるということで、「DF-23」の真の感触についてはそこでお伝えしたいと思う。
#20 神戸大学FORTEK
21年王者FORTEK。今年は19年のマシンポテンシャルを目指し進んでいる。冬に宣言した通り車両完成を早め、国内8番目のシェイクダウンを果たした。そしてこの日が2回目の走行日、早くも前後ウィングを搭載していた。
午前はアクセラ、スキッドパッドをそれぞれ走行。午後は、隙間を見つけては周回走行に臨み、全体2番目の周回数の多さとなった。
外から見る限り、車両の安定感は高い。車両姿勢の乱れは少なく、真っ先に10周連続走行をし完走するなどトラブルもなかった。
とはいえ、フロントウィングが路面と接触してしまうことがあり、最後にはエアロを外した状態でテストしていた。ここからの改善、調整は肝心になりそう。
19年を復興するためには、どう速さを増すことができるかというところになりそうだ。
#22 大阪大学OFRAC
18年王者のOFRACは、昨年からカーボンモノコックとスペースフレームのハイブリッド化に挑戦。それによる遅れなどでテスト機会や動的競技の走行チャンスを失っていた。そこで今年こそは真価を得ようと、意気込んでいる。
そのモノコックは、知見を活かして大幅改良されていた。それに伴い排気も変更されていたが、エンジンパワーは健在のように見えた。
ただこの日はトラブル続き。走行スタートが11時半ほどになったうえに、立て続けに駆動系のトラブルが発生し、この日はスキッドパッドのセッティング出しのみに終わった。
エンジンパワーが保持されていそうな様子は見られた。それを受け止める足まわりや、強化されるエアロがどうなるかには注目だ。
#25 大阪工業大学O.I.T. Team REGALIA
3ヵ年計画の3年目、単気筒エンジンの実力発揮をしたいREGALIA。エンジン周辺の変更とともに、昨年つけられなかったエアロの搭載も目指している。
まずはこの日、全力をかけてすべての部品を持ち込むことができた。が、組立が間に合わず、シェイクダウンに至ることができなかった。
それでも単発ユニットの実力解放に向けたサージタンクを確認することができた。翌日、この記事が公開される日にもテストランを予定しているそうなので、「REG15」の走行の様子は来週の合同試走会でお伝えできるはずだ。
#47 大阪公立大学 中百舌鳥レーシング
3年と7か月ぶりにマシンは走行した。この日は中百舌鳥レーシングの歴史が再び動いた瞬間だったと言える。
未だ車検通過の経験はなく、設計をこだわり抜いたことが悪さをして完成からも離れていた。そして19年11月を最後にマシンを動かせたこともなかった。
そんな状況が明転、この日にブレーキテストをすべく走行を果たすことができた。それにとどまらずにアクセラを実行。チェーンの張り不足で走行を取りやめ予定プログラムをこなすことはできなかったが、大きな一歩が踏み出された日となった。
これで走行テストを重ねる見通しができたはず。目標の動的種目完走へ、前進の歩は速まったに違いない。
次回のは1週間後、同じく泉大津で関西支部の試走会が行われる。
各車両の詳細ポイントは「ガクエフマガジンvol.06」(7月7日公開予定)にて!