自動車大学校系チームのトップを行く日本自動車大学校Formula Factory NATS。

22年は、11台目の車両にしてついに総合3位まで上り詰めた。チーム過去最低のマシン重量、史上3度目のファイナル6などを達成し、名実ともに日本一のウィングレス車両となった。

さて、NATSと言えばEVコンバートの話を触れるべきだろう。本来なら、昨年大会を最後にEVクラスへ転向する予定だったのだ。

これについて現状を聞くと、現在は別に小規模の班に分けて、少しずつだが同時並行で進んでいるそうだ。ある程度形にはなってきているそうで、バッテリーが決まればモーターを動かせる段階まできているそう。ちなみに、日産から供給されるリーフのモーターを使用する。

来年こそは参戦できる見通しだ。

本当に最後のICVとなりそうな今年、マシンコンセプトは「SWEET ~心を奪う走りを~」とした。フォーミュラマシンとは、キビキビと加速して、曲がって、止まる車であると考え、動きが売りのいい車を作ろう、という思いがこもっている。どのような人が運転しても「運転する喜び」を感じられるようなマシンを目指す。

「SWEET」という言葉だが、この背景がかなり面白い。曰く、21年までMotoGPにてヤマハから参戦していたバレンティーノ・ロッシ選手が発した言葉だ。MotoGPマシンのテスト走行にて、素晴らしいマシンだと感じたロッシ選手は降りて一言「SWEET」とスタイリッシュに表現した。これに感銘を受けた泰樂氏が、運転する喜びがある、SWEETと表現される車を作りたい、という思いから決まったというのだ。

そのマシン「FFN-12」は、走る曲がる止まるの向上を主眼に置く。いずれの面について昨年マシンから改善され、マシンの精度はさらに高まる。

そして、最も注目なのが、NATS初のウィング搭載が検討されているところだ。進行状況は良くないそうだが、エアロ班を設置し、試作品も作っている。サイドだけになるか、前後ウィングもつくかはわからないが、さらなる速さを求めている。

目指すは総合優勝。自大系チームの先頭を走り続ける。

 

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