ガクエフコラム

ガクエフコラム「リアウイングは足元もチェック!」

フォーミュラマシンのエアロデバイスといえば、やはりウイングが「花型」です。中でもリアウイングはその大きさからひときわ目を引きます。今回は、そんなリアウイングの設計の工夫を「足元」をテーマに紹介します。

気流を下からカメラでチェック!大阪大学

試走会にはタフト(気流の流れを確認するための毛糸)をつけたエアロデバイスを持ち込んだ大阪大学。本来目に見えない空気の流れが見えるので、開発でのメリットは大きそうです。

大阪大学のマシンをリア側から眺める 黄色い毛糸がタフト

糸の動きを捉えるために、リアフレームにアクションカメラを上向きに取り付けていました。ダウンフォースを生み出すリアウイング下面のタフトは走行中は外側からは確認が難しいですが、この方法なら効果的に確認できそうです。

フレームにアクションカメラをつける様子

エアロ担当の方にお話を伺ったところ、今年のエアロはリソースの問題などで細かい部分で詰めきれなかったので、来年は翼端板の処理などより細部までこだわっていきたいとのことでした。来年の大阪大学のマシンはより完成度の高いエアロデバイスが見られそうです。

バネ下マウントの真の狙いは……千葉大学

千葉大学のリアウイングはシンプルな形状ながら、マウント方法に特長があります。多くのチームが採用するフレーム側からステーを伸ばす方法ではなく、アップライト(ホイールの内側にあるサスペンションとの締結部)からステーが伸びているバネ下マウントです。

リア側から眺める千葉大学のマシン
1枚目の大阪大学のマシンと異なるリアウイングステーの位置に注目

バネ下へのエアロデバイスといえば京都大学などでも採用例があり、車両のロール方向の姿勢変化の影響を受けにくいなどの特徴があります。千葉大学のエアロ担当の方にお話を伺うと、採用理由は空力的なメリットではなく軽量化とのことでした。

ステーはアップライト内側から伸びる

ステーの形状がシンプルな形になることで、フレーム側から伸ばす方法より500g程度の軽量化を狙えるとのことです。一つの部品で500g軽量化できるのは、重量面でかなり大きなアドバンテージになりそうです。

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