4月6日にシェイクダウンを行った名城大学を皮切りに、京都工芸繊維大学など有力チームが次々と2023年度大会車両をシェイクダウンしています。そこで、今回は学生フォーミュラのシェイクダウンについての話をお届けします。

シェイクダウンを証明しないといけない?

シェイクダウンとは、モータースポーツの世界では主にその車両を初めて走らせることを言います。F1やSUPER GTといったサーキットで行われるレースでは基本的にシーズンごとに行われますが、WRCのようなラリーではイベントごとに初日に行われます。

学生フォーミュラでシェイクダウンと言った場合には、その年の車両の最初の走行機会を指します。学生フォーミュラのシェイクダウンの特徴的な点は、車両の完成を証明する「シェイクダウン証明」という動画を提出する必要があることです。各チームは、自チームの車両が前進、加速、停止など一連の動作を行う様子を収録した動画を期日までに提出する必要があります。

このシェイクダウン証明を提出できないと、大会車検への参加を拒否されるという大変厳しいペナルティが課されてしまいます。従って各チームは、どんなに遅くとも大会当日までではなくシェイクダウン証明の期日までに、車両を走行できる状態にする必要があるのです。

シェイクダウン証明の撮影の様子。時間、場所など所定の文言が書かれたボードと、車両のエンジン始動~発進~停車までを記録する必要がある

カート場?学校?それぞれのシェイクダウンのスタイルとは

そんな学生フォーミュラのシェイクダウンですが、チームによって様々な形式で実施されます。

一般的な形は、通常のテスト走行と同様にカート場などを借りて実施する方法でしょう。レインボースポーツカートコースでシェイクダウンを行った名城大学MeijoRacingTeamや、琵琶湖スポーツランドでシェイクダウンを行った京都工芸繊維大学Granderfinoが該当します。この方式の良い点は、やはりシェイクダウンと同時にテスト走行を行える点でしょう。学生フォーミュラのテスト走行の機会は限れており、1度の走行機会でシェイクダウンからテスト走行まで行えればメリットは大きいと言えます。

合同試走会でのシェイクダウン

他方で、チームによっては自分たちの大学構内でシェイクダウンを行うチームもいます。シェイクダウン証明では全開走行をせずそこまで広いスペースを必要としないため、構内道路や駐車場などで済ましてしまおうという考え方です。専用の場所ではないため、タイムを計測するようなテスト走行は行なえませんが、日程の都合が合わせやすいことや万が一のトラブル対応が柔軟に行える点などがメリットとして挙げられます。今年は、九州工業大学が学内でシェイクダウンを行ったと報告しています。

学内でシェイクダウンする際は、学校に許可を取り安全に行う必要がある

ガクセイフォーミュラジェーピーでは、今後も各チームのシェイクダウン情報をお届けしていく予定です。以上のような情報を気にしてシェイクダウンを見るのも良いでしょう。