9月11日は、学生フォーミュラ日本大会2025の4日目。

この日からついに動的審査が始まり、醍醐味の一つであるマシンの走行による審査が行われた。オートクロス・アクセラレーション、スキッドパッドの3種目が、午前午後の各2枠に分けて行われた。

オートクロス午前

天候への心配は微妙な状態。「午後のアタック最適タイミングではおそらく降らない?」といった予報となっていた。

まずは東北大学の出走で、今年の動的審査の幕が明けた。

序盤から北海道大や岐阜大が、昨年のファイナル6相当のタイムである68秒、67秒台に突入してくる。

どのチームも2番手ドライバーによるアタックとなったが、万が一午後に雨が降りタイムが出せなかったことも考えてか、朝から熾烈なタイムの出し合いに。ICV上位を争う大阪大、京都工繊大、同志社大、さらにはEVだが名古屋工大もほぼ同タイミングで出走し、同志社大が65.995秒でこの時点でのトップに立った。

その後は名古屋大や日本自動車大学校も66秒台を記録。帝京大、カセサート大(タイ)、日大生産、茨城大、日工大が70秒の壁を越えてくる。

しかし午前のトップタイムは、終了7分前にJilin University EV(中国)が記録した。エースドライバーを投入した中国EV王者は、リアステアシステムのセットを外したというものの、64.519秒は午前唯一の64秒台でコースレコードを更新するラップタイムとなった。

アクセラレーション

75mの直線加速勝負。EVクラスでは、この審査で2連勝している4輪独立モーターの名古屋大に対し、3モーター式のJilin Univ.がどこまでのタイムを出してくるか。ICVクラスでは、4秒前後をめぐる争いに注目が集まった。

まずはEVクラス、2連勝している名古屋大学が全チームの先頭でファーストトライに。2ラン目で3.769秒を記録し、早速トップタイムを記録する。さらに午後枠の半ばには3.706秒まで記録を伸ばす。ただ、自身が目標とする日本記録更新にはわずかに届かない。

一方のJilin Universityは、ファーストランでの3.800秒から伸ばせず。EVクラスに加え全体トップタイムは、3年連続で名古屋大学が獲得した。

ICVクラス。午前から注目チームがアタックしていくも、4.1秒台から抜け出せない。日本自動車大学校の4.100秒をトップタイムにし、午後枠を迎えた。

すると午後始まって30分、九州工業大学が、この日最初の4.0秒台、4.036秒を記録し、暫定トップに躍り出る。

しかし直後、千葉大学が3.967秒を記録しタイム更新。これは2019年に自身が出したICV日本記録を上回る好タイムとなった。

そして、このまま更新はなく終えている。

順位(EVクラス) カーナンバー 大学名 タイム
1  E01 名古屋大学  3.706
2  E08 Jilin University EV  3.800
3  E03 東京大学 4.135
4  E12 静岡大学  4.473
5  E02 名古屋工業大学 4.543

 

順位(ICVクラス) カーナンバー 大学名 TIME
1  C21 千葉大学  3.967
2  C10 九州工業大学  4.036
3  C03 日本自動車大学校  4.100
4  C14 北海道大学  4.132
5 C07 大阪大学  4.137

スキッドパッド

約15mの8の字円の通過タイムを競うこの競技。両クラスとも5秒前後のタイムでの激戦が予想された(記事上は基本的に速報タイムである左右円タイムを足したもので表記する)。

序盤からタイムの出し合いとなった。2チーム目の名古屋工業大学(EV)が10.184秒を記録すると、4チーム目のJilin University ICVが9.94秒で早速10秒を切るタイムを記録する。

さらに金沢大(ICV)、北海道大(ICV)が10秒切り目前を記録する中、Jilin University ICVが9.972秒に、そしてKasetsart University(ICV)が9.738秒で日本記録更新まであと少しのタイムも記録される。全体順位で海外勢がトップ3に並んだ。

その後名古屋大(EV)、千葉大(ICV)、日本自動車大学校(ICV)、日本工大(ICV)も好タイムを出すが、10秒は切れない。そんな中、Jilin University ICVが9.755秒までタイムを伸ばし、海外勢トップ3をさらに固める。

すると午前の最終版、岐阜大学がに日本勢最初の9秒台、9.932秒を記録。2年連続の9秒切りを達成しつつ、海外勢の牙城をひとつ崩した。

午後に入っても断続的に実力あるチームのアタックが続く。すると開始30分余り、同志社大学(ICV)が9.896秒を記録し、日本勢2番目の10秒切りで全体3番手に躍り出た。

以降もアタックが続くが、日本自動車大学校(ICV)、茨城大(ICV)、工学院大(ICV)などが惜しいタイムを刻むが、9秒台にはわずかに及ばなかった。

順位(ICVクラス) カーナンバー 大学名 TIME
1  C41

Kasetsart Universuty(タイ)

4.869
2  C10 Jilin University ICV(中国) 4.877
3  C12 同志社大学 4.948
4  C04 岐阜大学 4.966
5      C03 日本自動車大学校 5.027

 

順位(EVクラス) カーナンバー 大学名 タイム
1  E08 Jilin University EV(中国) 4.986
2  E02 名古屋工業大学 5.092
3  E01 名古屋大学 5.115
4  E03 東京大学 5.257
5  E04 上智大学 5.414

オートクロス午後

結局、この午後枠が始まるまでには雨は降らずとなった。

まずは4チーム目に工学院大が出走する。降雨を恐れずの午後2トライを狙い、まずは1ドライバー目のアタックで64.979秒を記録してくる。

そして雨を恐れてか、名古屋工大、京都工繊大午後ではが早めに出走、さらに満を持して千葉大、神戸大、九州工大も走行に打って出た。

ここで抜きんでたのが、名古屋工業大学。63.746秒は、この年の全体トップタイムを記録する最高のアタックとなった。

一方、他のICV勢はチームは満を持してのアタックも、午前中に記録された同志社大のICV暫定トップタイムを超えることができない。

しかしこの集団でのアタック合戦が終わった直後、北海道大学が64.808秒でこの年のICVトップタイムを記録する。注目視されていなかったところから、まさにダークホースの振る舞いを見せる。

その後、EVとしては名古屋大は63秒台を記録、Jilin Universityも出走するも、名古屋工業大学のタイムを上回ることができず。

一方のICVクラスも、岐阜大、Jilin Univ. 同志社大、立命館大、茨城大、日本自動車大学校、大阪大、工学院大などが65~67秒台を記録するも、北海道大学のタイムは更新されなかった。

順位(EVクラス) カーナンバー 大学名 タイム
1  E02 名古屋工業大学 1″03.746
2  E01 名古屋大学 1″03.982
3  E08 Jilin University EV 1″04.924
4  E07 山梨大学 1″11.086
5  E03 東京大学 1″11.448
6  E11 静岡大学 1″13.086

 

順位(ICVクラス) カーナンバー 大学名 TIME
1  C14 北海道大学 1″04.808
2  C37 工学院大学 1″04.979
3  C7 大阪大学 1″05.179
4  C21 千葉大学 1″05.438
5  C3 日本自動車大学校 1″05.663
6  C01 京都工芸繊維大学 1″06.006

すべての審査で、昨年を超えるタイムが次々と記録され、コロナ禍から4大会目、ASEの2年目、あらゆるチームに成長と適応が見られる競技模様となっている。

明日以降は2日間にわたってエンデュランス審査が行われる。オートクロスの出走チームはICV45チーム、EV15チームで、昨年の47台から約1.3倍となった。今年は※145%ルールが雨天により撤廃されたため、この60台がエンデュランス審査へ出走することとなった。(※:オートクロストップタイムから1.45倍以内のタイムを記録しないと、エンデュランス出走権が足切りされる。)