名古屋大学 フォーミュラチームFEM

 第2回大会から参加しており、ICV時代の2014年には総合優勝を収めている。2017年から完全にEVクラスへ移行すると、以来8戦で7回のクラス優勝を果たし、EVの絶対王者と言える存在になっている。
 車両は国内で唯一、世界的な最強パッケージ「4輪独立モーター+カーボンモノコック」を導入しているマシン。特にその加速性能から、アクセラレーション審査の日本大会記録を保持している。
公式ホームページ:https://www.nagoya-fem.com/

昨年2025大会で、名古屋大学フォーミュラチームFEMはクラス3連勝目を飾った。ただこれは過去になく辛勝だったといえる。

これまでEVクラスの中では圧倒的な存在で、それゆえの8戦7勝を達成している。しかし昨年は、静的審査総合では富山大学とたった3ポイント差の1位、動的審査総合では名古屋工業大学に敗れた、オートクロス審査という純粋なラップタイムでも同じく名古屋工大の後塵を拝している。初めてといっていいほど、ライバルに姿を捉えられることになった。

「(動的審査で)名古屋工業大学に負けたことで、チームは燃えている」と、チームリーダーの俵木さんは今年にかけるチームの意識を語った。

今大会の目標は「静的審査総合で1位、動的審査総合で1位」とした。目覚ましい進化で迫りくるライバルに対し、改めてEVクラスで1位の座を確立させたい構えだ。

動的審査では、アクセラレーション、スキッドパッド、オートクロス、エンデュランスの1位を目標に掲げる。特にオートクロス、エンデュランスは1位奪還を目指すことになる。セッティングやペナルティ面など、昨年明らかになった差を取り返しにかかる。

静的審査は、ライバルに迫られたことで、新たな探索が始まるそう。これまで他EVに対しては圧倒的な差があったが、ICV/EVクラス完全分離を経て得点システムの都合もあり、意外なほど差は縮まることになった。これまでの“デザイン審査でコスト審査の不利をカバー”という戦略が通じなくなったことで、チームは特にコスト審査の細かなところからも得点を見つける意識が新たに芽生えたという。

”今年用の新車両を作る”という点にもこだわったFEMは、すでに初走行を終えているそう。1か月前倒し開催の大会に対し日本唯一の「4輪独立モーター+カーボンモノコックフレーム」の手間がかかるマシンを仕上げる、その面でも今期のプロジェクトに注目したい。

これに加え、名古屋大学フォーミュラチームFEMの車両開発では、2つの注目トピックがある。

1つ目は「自作インバーター」。FEMでは、大会後から自ら設計製作したインバーターを使用したテスト走行を行っている。これは世界の学生フォーミュラを見渡しても極めて高度な技術となる。

今大会に向けては、これの搭載しての出場を目指しているそう。サイズや重量など物理的なメリットが活きるにはまだ尚早だが、まずは日本の大学生を代表する高度な技術の完成を楽しみにしたい。

2つ目は「自動運転」。FEMは最近、自動運転への取り組みを仄めかしている。これはFEMが将来的に「ヨーロッパなど海外大会で現地チームに勝つ」という目標を掲げており、それに向けた準備ということだそう。挑戦は既に始まっている。

名古屋大学2026年車両「FEM-23」スペック
フレームカーボンモノコック
モーターAMK DD5 4機
ホイールサイズ10インチ