今年から総合結果制ではなくなり、ICVクラス、EVクラスそれぞれでの成績算出のみとなった。
参加数が少ないEVクラスは、特に上位勢は総合順位では離散しがちだったため、目標建てについて特に影響が大きい。昨年クラス2位だった名古屋工業大学に関しては、クラス1位の名古屋大がずば抜けていて、一方3位4位の東京大、上智大は少し離れている、という位置づけにいるように見える。
そこでこのチームが選んだ目標は「動的審査でクラス1位」。見据える先は7参戦中6度のクラス優勝を誇るEVの絶対王者、名古屋大学だ。静的審査、動的審査ともにトップレベルで強い王者に対して「1年で倒すのは難しいので、まずはうちの得意とする動的審査で上回りたい」と、この目標を立てた。

そのため、車両性能の向上は「必ず」と話す。開発方針は、「高出力化と大幅な軽量化」で、基本スペックの部分の向上がなされる。
肝となるのは、昨年から計画していたバッテリーの変更。国内学生フォーミュラで半標準となっている共創のものから、中国のMelastaが提供するものへと変更する。バッテリー重量の削減のほか、モーターへ共有される電力も強化される。
もちろんそれだけではなく、シャシーは軽量化、エアロも久々に変更され、車両パフォーマンスの向上が図られる。
ちなみに車両スペックに関して。昨年はモーター出力が30kW程度だったそうで、システム面含め80kWというルール上の制限値までどこまで詰めてくるのか。また車重は277.5kgあった車重の減量幅も気になるところ。
2駆EVとしては国内トップレベルの速さをもつこのチーム。対する4輪駆動EVの名古屋大やその他海外チームへ動的審査でどのような争いになるか、注目だ。
名古屋工業大学2025年車両「N.I.T-23」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
モーター | YAMAHA貸与品 |
ホイール | 10インチ |