名古屋工業大学 N.I.T. Formula Project

 2003年の第一回大会から継続して参戦している。2019年に総合優勝、ファイナル6へは5度の出走回数を誇る強豪チーム。
 2023年からEVクラスへと転向し、以来2年連続で全競技完走、クラス2位を獲得している。足回りの設計に長けた「シャシーのチーム」。

Webサイト:https://www.qitc.nitech.ac.jp/formula/

今年から総合結果制ではなくなり、ICVクラス、EVクラスそれぞれでの成績算出のみとなった。

参加数が少ないEVクラスは、特に上位勢は総合順位では離散しがちだったため、目標建てについて特に影響が大きい。昨年クラス2位だった名古屋工業大学に関しては、クラス1位の名古屋大がずば抜けていて、一方3位4位の東京大、上智大は少し離れている、という位置づけにいるように見える。

そこでこのチームが選んだ目標は「動的審査でクラス1位」。見据える先は7参戦中6度のクラス優勝を誇るEVの絶対王者、名古屋大学だ。静的審査、動的審査ともにトップレベルで強い王者に対して「1年で倒すのは難しいので、まずはうちの得意とする動的審査で上回りたい」と、この目標を立てた。

そのため、車両性能の向上は「必ず」と話す。開発方針は、「高出力化と大幅な軽量化」で、基本スペックの部分の向上がなされる。

肝となるのは、昨年から計画していたバッテリーの変更。国内学生フォーミュラで半標準となっている共創のものから、中国のMelastaが提供するものへと変更する。バッテリー重量の削減のほか、モーターへ共有される電力も強化される。

もちろんそれだけではなく、シャシーは軽量化、エアロも久々に変更され、車両パフォーマンスの向上が図られる。

新車両のCAD画像、チームXより(https://x.com/NIT_Formula/status/1879385053777875169)

ちなみに車両スペックに関して。昨年はモーター出力が30kW程度だったそうで、システム面含め80kWというルール上の制限値までどこまで詰めてくるのか。また車重は277.5kgあった車重の減量幅も気になるところ。

2駆EVとしては国内トップレベルの速さをもつこのチーム。対する4輪駆動EVの名古屋大やその他海外チームへ動的審査でどのような争いになるか、注目だ。

名古屋工業大学2025年車両「N.I.T-23」スペック
フレーム鋼管パイプフレーム
モーターYAMAHA貸与品
ホイール10インチ