昨年大会はついに動的審査へ出走、EVクラスとなって初めての車両走行をお披露目することができた。それも午前中という早い段階から出走し始め、スキッドパッド、アクセラレーション、オートクロスで順調にタイムを残していた。
一方、充電不良が起きており学校出発時に充電しそれで大会すべてを乗り切ることになっていたため、オートクロスではタイムが出せず。結果としてタイム不足でエンデュランスへの出走権を勝ち取ることはできなかった。
それでもそこまで走れるだけ電気系の稼働は安定しており、このEV大活況時代に、2022年に移行したEV比較的先行組としてなんとか追随することができている。
そして、今年も大会では全競技完走を目指していくそう。

今年は6月末に車両発表会を実施。同様のことをやっているチームは少なく、何事にも挑戦する姿勢が表れている。

車両のコンセプトは「安心して踏んでで行ける車」。ワードは昨年継続だが、昨年に大会で走行できた中で見つけた課題も今年は盛り込まれた。
コンセプトの主眼には、昨年からマシン特徴となった「マルチリンクサスペンション」による懐の深い足回りがある。フロントサスペンションは、旋回時のトレッド変化を抑えてタイヤの限界値を落とさないように、また旋回ロール時に重心が下がるようにし安定性の向上が図られている。今年に向けては、課題だった初期応答性に対しバウンドストッパーを用意し対応している。

一方のリアのマルチリンク化は今年の車両から。こちらはトー角に注目し、加速・ブレーキ減速・駆動抵抗による減速の3シーンにおいて、安定性や一方で旋回を促進するようなトー角になるように設計されているそう。
昨年は限界走行をするまでは至らなかったそうなので、前後のマルチリンク化の感触などは今年明らかになりそうだ。

また「安心して踏んでで行ける車」として、昨年トラブルのあったアクセル、ブレーキの改善もある。バッテリー充電部不良による踏めなさもあったので、そこも改善される。
フレームは昨年のものの流用も考えたそうだが、最終的には新規製作されている。併せて、バッテリー搭載部を改善しスペース効率を向上させたり、フロントフープの高さを上げドライバーとステアリングの接触を回避できるようにしている。
コックピット関係では、シートの剛性が足りなかった点も改善。座っただけでも改善がわかるまでに、コックピットは良くなっているそう。

昨年は車検通過も早く、動的出走後は信頼性的にも大きなトラブルは見られなかった。その分、チーム初のEV全競技完走に向けては、大きく期待ができそうだ!
愛知工業大学2025年車両「AIT-25」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
モーター | デンソー貸与品 |
ホイール | 13インチ |