早稲田大学Waseda Formula Project

 2005年から参戦開始。たびたび参加が途絶えてはいるが、過去最高成績は2019年の総合16位を最高に、近年は中堅順位で安定している。拠点があるWASEDAものづくり工房では、複数の活動で占有スペースを分けており、非常に狭い。
 金属3Dプリント製アップライトは初導入校で、またKYB社のダンパーは唯一、リアフレームが独立する構造になっているなど、独自色が強い車両になっている。

ホームページ:https://waseda-fp.tumblr.com/

昨年実現された80という高レベルな馬力数値、これの実践投入、そして生かせる車両づくりが今年の早稲田の命題となる。

昨年大会、成績の向上はならなかったが、それ以上に5年ぶりの全競技完走が達成された。2022年は初のファイナル6となる高パフォーマンスを発揮するも、2019年以来全競技完走はなかった。前年比3週間早いシェイクダウンやその後のテスト走行など、努力が実った。

オートクロスではエースにしてTGRラリーなどに参戦する稲葉摩人さんのアタックはできなかったが、乗りやすさを求めた車両のフィーリングは上々な様子。サスペンションジオメトリの見直しはいい方向へと進んだ。ただ、フルコン化により成された80馬力だったが、本番に騒音テスト通過のため手を施した結果、現地ではかなりパワーダウンとなってしまったそう。今年はパワー発揮を中心に取り組んでいる。

車両コンセプトは「パワフルを、意のままに。」としている。長所となった80馬力を生かした車両づくり、戦い方を方針としている。

昨年大会で課題となった騒音試験に向けては、具体的には急遽増やしたバッフル(消音壁)が原因だった。その対策には昨秋からすでに取り組んでおり、SNS上でも様々な形状のマフラーを実際に製作しテストしている様子が垣間見える。この部分の解決にまずは注力している。

シャシーは、引き続き「初心者でも乗りやすい」の方向性に。改善があった昨年でも、まだ空間的な制限で理想的なジオメトリが達成できていなかったそう。そこで、フロントサスはプッシュロッド化、リアサスも改めて設計し直し、より理想的なジオメトリの実現を図っている。

エアロは、装着自体が再考される珍しいパターンが検討されている。ダウンフォースというメリットよりも、昨年エンデュランス中に破損したことや剛性不足など、デメリットを大きく感じ、そのため前後ウィングを搭載しない可能性があるとのこと。また、昨年車両での非搭載テストでのほうがマシンは速かったということもあったそう。

シェイクダウンは4月27日に完了。昨年よりもさらに3週間ほど早い時期での達成となった。信頼性やパフォーマンス向上へ、時間はより多く確保されている。

パワーアップした車両の本気の走りが、ついに大会で見ることができそうだ!

早稲田大学2025年車両「WFP2025」スペック
フレーム鋼管パイプフレーム
エンジンSUZUKI GSX-R600 (4気筒、599cc)
ホイール13インチ