「優勝」を目標に掲げ始めて3年目。今年こそトップを獲得できるか?
コロナ禍が明けてから、Formula Factory NATSはチーム史上最も良い時期を過ごしている。2022年の初表彰台3位を皮切りに、翌年にはチーム最高となる総合2位を獲得、昨年は総合4位だった。
この好成績は、高い動的審査のパフォーマンスに支えられている。特に大得点を占めるエンデュランスでは一昨年2位、昨年はトップだった。他、オートクロスはトップ6入り(ファイナル6)を3年連続、アクセラレーションでは2年連続ICVクラスのトップとなっている。
このように強豪チームとして十分に認められる順位を維持しているが、優勝にはまだ至れていない。今年こそ、その栄冠を手にできるか。

今年は、久々に車両の足回りにアップデートが入る。ASEに会場が変わってから特に前輪の接地性に課題があったそうで、POUの採用をはじめ、この部分の改善が図られるそう。10インチホイール化から4大会目ともなり、タイヤデータはかなり煮詰まってきたそう。優勝に対する自信がより一層高くなっている様子だった。
またステアリングシャフトを見直し、操舵感覚の向上を狙ったり、オイルクーラーの追加でエンデュランス時の油温上昇の対策もしているそう。
上位と比べると劣っていた静的審査には、「内容は詰めることができた」と手ごたえを感じている様子。特に昨年車両進化が少なかったこともあり順位を落としたデザイン審査は、足回りの研究もあり、今年は向上ができそうだ。
そして、強みとするドライバー陣も今年は強力か。「真のエース」と評される、現在86/BRZ Cupに出場している竹村さんが2年ぶりに搭乗。そしてオートクロス/エンデュランスのもう一人は、「学生フォーミュラ車両では自分が一番練習している」というチームリーダーの丸尾さんがステアリングを握る。そのほか、今年は予定外の3次選考までいったというドライバーオーディションにより、他の競技にも洗練されたドライバーが乗ることになりそうだ。
関東に優勝がもたらされれば、実に14年ぶりとなる。最もその達成に近いこのチームが、関西最強時代に一石を投じることはできるか!
日本自動車大学校2025年車両「FFN-14」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
エンジン | YAMAHA MT-07(2気筒、688cc) |
ホイール | 10インチ |