上智大学フォーミュラチームSophia Racing

 2000年の学生フォーミュラアメリカ大会に参加するための日本合同チームにも名前があり、2002年からは単独参戦もした歴史のあるチーム。2003年の第一回日本大会では初代優勝校となった。さらに2011年までに3連覇含む5勝を積み重ねた当時の絶対王者チーム。2013年に記録したスキッドパッドのタイムは、日本記録として今も破られていない。
 2022年からメンバー不足から青山学院大と合同チームを組みEVへと転向。昨年より単独参加となり、同時にEV移行後初の全競技完走を達成した。車両はICV時代から続く、国内唯一のアルミモノコックフレームを使用している。

ホームページ:https://www.sophiaracing.com/

古豪が、再び速さを、結果を追求するフェーズへと移行する。

2021年春のEV移行から3大会目、上智大学はようやく動的出走、全競技完走を達成した。コロナ禍による廃部危機、人数不足が理由で青学大との合同参加など、かつては絶対王者として日本大会を席巻していたチームはかなりドン底だった。しかし何とか立ち直り、ついにEVのスタートラインを通過することに成功した。

そしてここからは、パフォーマンスを求める路線へと戻っていく。

車両コンセプトは「Serene Regality」。上智大学が重視してきたドライバビリティのいい”穏やかさ”あるマシンと、古豪としての”威厳”をもって結果を追求していく、そんな意味合いが込められている。計5度の総合優勝を誇るチームが、EVクラスで上を目指す時代を始めていく。

とはいえ、今年は大変な年でもある。ボリュームゾーンとなっていた学年が昨年をもって離脱、また久々のモノコック新規製作もする必要がある。それだけにある程度は保守的になっているという。

それでも「安パイを取ってきたのが、最適化された設計になっている」と、これまでとは設計はパフォーマンスを求める方向になっているようだ。

例えば、モノコックの形状は前から後ろまで直線基調の床下だった以前のものとは大きく異なりそう、それに伴ってサスペンションジオメトリも変化している。また、エアロ面も大幅刷新されるという。

電装面では、配線一つ一つから見直し、トラブルを起きにくく、起きても直しやすくの改良を狙っている。昨年のオートクロスではタイムを狙いに行く2周目にトラブルが発生しマシンストップしている。それだけに、安定性も得点向上ポイントになりそうだ。

目標は、まずはEVクラス3位と置いた。多少保守的な方針であることで名古屋大、名古屋工大には届かないまでも、東京大、東北大は上回ることを目標としている。また、昨年5.151秒まで到達したスキッドパッドの5秒切りを、今年も目指していく。

クラス分離で明確な争いとなることが予想されるEVクラス。パフォーマンスアップの結果どのような位置に食い込むのか、楽しみだ。

上智大学2025年車両「SR21」スペック
フレームアルミハニカムモノコックフレーム
モーターデンソー製貸与品
ホイール10インチ