大阪大学 OFRAC

 2003年の第一回大会から継続して参戦している。2010年、18年に総合優勝しており、複数優勝は大阪大含め3チームのみ。関西の静的審査に定評あるチームの一つ
 2022年以降は車検関連で苦しみ実力に反して結果が出せていなかったが、昨年ついに脱却。6年ぶりのファイナル6にも入り、総合8位に返り咲いた。

Webサイト:https://ofrac.net/

「強い阪大を取り戻したい」「目標は総合優勝」、大阪大学の2025年度プロジェクトの目指すところはこれだ。

2018年の総合優勝以降、2023年までは動的種目の完走ができていなかった。2021年の静的審査のみとなった大会での総合2位を始め静的では強さを保ってきたが、動的審査が振るわなかったりで結果にはつながっていなかった。しかし昨年、新規設計部分をかなり少なくし完走を最優先に進めた結果、6年ぶりの全競技完走を果たし総合順位も8位へと一桁へ戻ってきた。

苦境から脱出し、さらにチームメンバーもある程度充足した今年、企画書内での目標には勢いよく「総合優勝」と据えている。(注:今年から完全クラス分離成績となるため、正しくは”クラス優勝”が目標)

その目標を達成するために、戦略の中心には「動的審査での大幅ポイントアップ」を挙げた。具体的には、昨年2桁順位だったアクセラレーションとスキッドパッド審査を、マシン開発、そしてドライバーの練習量の両面から向上、それぞれ1位を狙っていくそう。またその延長線上でオートクロス、エンデュランスは改善していく方針だそう、加えて「ドライバーには自信がある」とも語った。

それを果たすための車両「OF-25」は、近年の大阪大学の特徴的な挙動とは多少変わりそうだ。

車両コンセプトは「Re:Turn 4 Accel」、パッと向きを変え、ハイパワーエンジンで加速していくという意味合いが込められた、2019年、22年と同じ方針に回帰するものだ。追加された接頭辞は、以前の目指すべき路線に立ち返る(Re)ということに加え、「強い阪大が帰ってくる」(ReTurn)ということにも掛けられている。

ただ前述のとおりスキッドパッドを見据えた車両づくりで、応答性の高かった挙動は「高すぎた」として少しおとなしい様子になりそう。ホイールベースの延長やタイヤサイズの前後統一(フロントタイヤの幅拡大)などで安定側に振り、より高次元でバランスさせる狙いがある。

静的審査でも伸びしろを持っている。昨年はすべて一桁順位を獲得しているが、各審査でまだ上を狙う。今年に向けて特にデザイン審査では「海外強豪のどこか1チームには勝ちたい」と話すなど、昨年上位順位をを完全に海外チームに持っていかれたことに対する巻き返しも狙っている。

京都工芸繊維大学の4連覇を阻止する筆頭になることは間違いない。インタビューの最後には「今年は優勝を狙っていく、達成する自信はある。他チームは首を洗って待っててほしい」と語った。

大阪大学2025年車両「OF-25」スペック
フレーム前:カーボンモノコックフレーム
後:鋼管パイプフレーム
エンジンKawasaki ZX-6R(4気筒、599cc)
ホイール10インチ