名古屋大学は「日本最速」の道へーー。
昨年の名古屋大学は、日本大会EVクラス史上最高順位である総合2位を獲得した。彼らの進めてきた「4輪独立モーター+カーボンモノコック」のマシンが速さを見せ、エンデュランスも2019年以来の完走、また静的審査に限れば全体トップの得点を稼いだ。2017年のクラス移行以来、7大会中6回のクラス優勝を果たすことになった。
一方、クラス完全分離前のラストチャンスだったが、最後まで「EVチーム初の総合優勝」という目標には届かなかった。車検には前年より苦戦していた印象で、それゆえのスキッドパッドの不出走が特に響いた結果だった。チームリーダーの河野さんは「EVとなってからの過去最高順位を獲得し苦労が報われた気持ちがあった。ただ、総合1位を狙っていたので悔しさはある」と話す。

さて、国内最強のEV車両でEV絶対王者の地位を確かにしている名古屋大。今年はICV、EVクラスの完全分離となり成績付けが各クラス内でのみとなる。長年クラス順位は断トツに突き放しているだけあって、何を目標にするかが気になった。
彼らが立てた目標は「動的種目日本記録更新」だ。
これまでも「EVの速さを見せつける」という思いを都度語っていたが、それを引き続き実行していく構えだ。具体的にはスプリント系の3種目、アクセラレーション(2023年の自己記録3.649秒)、スキッドパッド(2013年上智大学4.858秒)、オートクロス(2024年京都工芸繊維大学65.118秒)の記録更新を狙うという。「これまでの日本記録を超えて、史上最速のマシンということを示していきたい」と意気込みを語った。

車両は昨年のブラッシュアップ版。現車両パッケージで初めて車検を通過したFEM-20、それが低重心化、軽量化などがされたFEM-21、そして「FEM-22」はその改良版となる。車両コンセプトは引き続き「Attractive Traction」4輪独立モーターでにみ叶う魅力的で未体験の走りを目指し、国内史上最速車両が作られる。
シェイクダウン時期は、他チームに負けず5月上旬を予定。今年も見る側にドキドキを与えてくれる車両が出来上がるに違いない。
名古屋大学2025年車両「FEM-22」スペック | |
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フレーム | カーボンモノコックフレーム |
モーター | AMK DD5 × 4 |
ホイール | 10インチ |