ICVクラスの戦いは激化する一方、その中で表彰台順位を勝ち取れるか―――。
昨年の神戸大学は、事実上のチーム過去最高順位を達成した。狙い通りエンデュランスのパフォーマンスが高く、また静的審査で全般的に順位を上げたことで、日本の絶対王者 京都工芸繊維大学、EVクラス絶対王者 名古屋大学に次ぐ総合3位をに輝いた。

ただ、今年にチームの核となる代の学部3回生が3人のみという状況があってか、昨年大得点を得られるエンデュランスで躓いた強豪チームの巻き返しを警戒している様子。「総合3位はとても喜ばしく思っている。コンセプトに沿った結果を残すことができた」「ただ、阪大、同志社がエンデュランスで落ちたことがあっての順位だった」。
そういう事情から、今年の目標は「クラス3位」としている。昨年はクラス内順位だとICV2位でワンランクダウンの目標となるが、上記のことを踏まえて「堅実に」との考えがあるそう。それでも「気持ちとしては1位を狙う」と話すように、優勝候補として上を見据えている。
また、目標の一つにはアクセラレーションの制覇を掲げている。カワサキ4気筒エンジンから大パワーを絞り出すことができているこのチームだが、ここ2年はICVクラス内だと2気筒エンジンの日本自動車大学校に競り負けており「雪辱を果たしたい」と語る。

今年の車両では、設計コンセプトを「Endurance Sprinter」と掲げた。昨年周回ペースは良かったもののそれでもトラブルを抱えていたエンデュランス、それをスプリント競技のようにさらに速く駆け抜けるようにという意味合いが込められている。
3回生が少ない分、車両の変更点は低重心化など全体的に少しづつ、といった様子。ただ昨年の軽量化にハイパワーが合わさって速さを見せた分、侮ることはできない。
目指すアクセラレーションに対しては、出力特性のほか、シフトロスの改善。昨年までは上位では珍しくなったシーケンシャル式だったが、今年からエアシフターによるパドル化が実施される。2019年以来のICV車両の4秒切りにも期待か。
そして強みの静的審査。近隣関西勢の巻き返しに対抗するにはこちらの得点アップは必須だが「静的の神大見せたります!」と意気込んだ。特に後れを取ったデザイン審査など、向上させられるか。
表彰台順位の継続を担う新車両は、シェイクダウンが4月末が予定されている。
神戸大学2025年車両スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
エンジン | Kawasaki ZX-6R(4気筒、636cc) |
ホイール | 10インチ |