九州工業大学 KIT-FORMULA

 2005年から参戦、九州最初の参加チーム。過去最高順位は2016年の総合8位、そこから40位程度をさまよう中堅のチームだったが、近年は有力といえる10番手前後まで向上しつつある。
 各所へ積極的な面が見られるチーム。マシン開発はもちろん、九州のテストラン会場を新規開拓したり、プロドライバー脇坂寿一をテストランに呼ぶなど、国内随一ともいえる活発な活動を展開している。

Webサイト:https://kitformula.watson.jp/

今年は、昨年大幅改良した車両の真価を発揮する年になりそうだ。

昨年、8年ぶりとなるシングルナンバーを獲得し、ここ数年掲げていた目標をようやく達成した。特に静的審査では、京都工繊、名古屋、大阪という”静的強者”に並んで、全3審査すべてで一桁順位を獲得した。

一方、「Challenge to Evolution(進化への挑戦)」をコンセプトに掲げフルモデルチェンジに挑戦をした車両で臨んだ動的審査は、理想通りのパフォーマンスとはならず、「上位との差を感じた」。それもあってか、「(他チームの脱落もあっての順位で)実力ではない」と、満足していない様子で振り返った。

今年の目標には「7位」を掲げる。この順位は、チーム過去最高順位を一つ上回るものだ。また、動的審査では「ファイナル6」を目標に掲げた。

それを支える車両「KS-21」のコンセプトは、「意思が宿る1台」。ドライバーが思ったように操れる、操作に対して忠実な車両を目指す。

昨年に大幅に車両が変化させたが実力を発揮できず、そこで課題となったMコーナーの改善など、新コースとなったオートクロス/エンデュランスに主眼を合わせたブラッシュアップを図っている。目指すところはファイナル6。昨年車両で年明けまで走行テストをし約650kmと国内最多とみられる距離を走った。そのデータ取りの成果がどう現れるか、車両完成後の走行が楽しみだ。

また、電気アクチュエータ関連では新たな挑戦がなされる。オートブリッピング、CAN通信によりステアに集約される計器類など。ただ最も注目なのはアクティブLSD。昨年に共同開発から新登場したイケヤフォーミュラ社の新LSDはイニシャルトルクの電子制御を見越して設計されており、それへの挑戦がなされる。アクティブLSDの搭載は国内学生フォーミュラ史上初とみられる。

8年ぶりにシングルゼッケンを背負う今年。近年の勢いそのまま最高順位の更新、初のファイナル6までも達成できるか。

九州工業大学2025年車両「KS-21」スペック
フレーム鋼管パイプフレーム
エンジンKawasaki ZX-6R(4気筒、636cc)
ホイール10インチ