昨年がEV2年目、「いっぱいいっぱいだった」と話す中でも、全競技完走を達成した。車両は大きく進化し、ICV時代の面影がほぼない、RR方式が採用されEVに最適化が図られたものとなっていた。
ただ信頼性にはまだまだ不安が残っていた。「まともに走れたのはエンデュランスのみ」だったり、そのエンデュランスの出走順もトラブルで少し遅れてしまうなどもあり、ギリギリの状況での完走だったそう。
今年はそれに対し、信頼性の向上を第一としてプロジェクトを進めている。

山梨大学は今大会での目標を、「安定して堅実な走り」としている。全競技完走を絶対条件とし、そのために車両信頼性の確保を目指している。
一丁目一番地になる電装系は、接触不良が起きがちだった部分を一新。トラブル防止策を打っている。またフレームでも信頼性向上を図っている。今年はテスト走行から走りこむことができそうだ。
速さに対しても楽しみなところはある。昨年は十分走れず、EVに対し最適化された車体のパフォーマンスはあまりわからなかったので、その発揮も待たれる。今年に向けてはアクセラレーション向上のためファイナルギアを変更、デンソー製モーターの出力を上げることも狙っている。

シェイクダウンは今年は1か月以上早く、6月1日に達成している。十分なテスト走行でデータ取りや車両の調整もでき、よりEVへの経験を深められる年となりそうだ。
各チームの成長著しいEVクラスにおいて、山梨大学も無事全競技完走の壁を乗り越えている。まずはこのRR車両がどのような走りを見せてくれるか、注目だ。
山梨大学2025年車両「YFR-25」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
モーター | デンソー貸与品 |
ホイール | 13インチ |