昨年は大躍進の年となった。FAの教授の退任のため「ありがとう星野先生」を車両に飾る中、5年ぶりの全競技完走の達成や、さらにはチーム初のファイナル6を達成した。
ただチームとしては予想外の飛躍ぶりだったという。特にファイナル6については、チームリーダーの佐藤さんは「意外だった。マシンの完成度はお世辞にも良くなかった。ちゃんとしたサスセッティングも出せていなかった」と振り返っている。F4にも乗ったことのあるドライバー大石喜生さんのドライビングに助けられた部分は大きいようだ。

そこで今年は、車両コンセプトを「応」に決め、意味の一つにドライバーの攻めた操作に応じられるような車両を目指すことを込めている。限界が高く、そしてガクエフ界には稀有なレース経験者ドライバーのテクニックを最大限活用できるような車両だ。
車両全体では、軽量化が大きなテーマになっている。バネ上だけで-10kgの軽量化を目標として厳しく課したそう。それでもエアロ班は-2.6kgという目標値にキッチリ応えたそうで、エンジン周囲も3Dプリンターの活用などで重量減に努めている。また塗装での重量増にも気をかけている様子だった。
シャシーでは車両重心を下げることも目指し、10mm下げることに成功したそう。この重量特性も厳しく追及し、そのために2年連続のホイールベース延長もしている。ロールピッチなどの動きが昨年に比べて抑えられそうだ。
この度、今年度マシンに装着する13inch SENTURY/LANDSAILタイヤの購入・輸入を山添産業株式会社様よりご支援いただきました。
— 日本大学理工学部学生フォーミュラチーム「円陣会」 (@NUEA_enginekai) May 11, 2025
この度のご支援に心より感謝申し上げます。
新タイヤを用いて目標順位達成へ邁進して参ります。 pic.twitter.com/WUX0UYteJM
そしてタイヤは大きな注目点。今年から供給が始まったSenturyというメーカーのラジアルタイヤを早速使用する。シャシー的に硬いラジアルタイヤに対応できると判断し選択。昨年に別のものでラジアルタイヤでテスト走行したそうで、その際に車両挙動の向上が確認できたそうで、既存大多数のフージャー製との違いが楽しみだ。
今年はチーム運営の改善にも着手。情報共有や進捗確認を良くしたことで、シェイクダウン前までは大きなトラブルなく進むことができているそう。例年通り仲の良いチームが、風通しのいいチームにもあり、進捗が確実に円滑になっているようだ。
2025.5.11
— 日本大学理工学部学生フォーミュラチーム「円陣会」 (@NUEA_enginekai) May 11, 2025
シェイクダウン完了!!
改めてになりますが、ご支援頂いた皆様に心より感謝申し上げます。
今後とも応援よろしくお願いします!
このマシンで走行を重ねて大会まで駆け抜けます🏎️
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目標はICVの10位以内。一桁順位は2023年から狙っており、今年はEVクラスと分離になり抜けるため、ぜひとも到達したい順位だ。
ちなみに「応」というコンセプトには、70余年の歴史を持つ活動の中で関わってきた人たちの期待に”応”える、という意味も込められている。その通り期待に応えて、2006年以来の10位以内の達成なるか。
日本大学2025年車両「NU-CST/023」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
エンジン | YAMAHA YZF-R6 (4気筒、599cc) |
ホイール | 13インチ |