EV2台目、目指すは早くも自己最高パフォーマンスとなる。
昨年はEVクラスでの1年目、2023年にICVクラスに出場しそのまま準備期間も少なくの移行だった。それでも急成長したこの有力チームの底力はさすがで、前年に移行した名古屋工大、東京大と同じく、初年度から車検通過、競技出走を達成した。ただし全競技完走までは達成することが叶わず、エンデュランスの3周目でペース不足から強制リタイアとなった。想定量の半分となったバッテリー量などが原因だった。
この結果に、チームとしては達成感を感じている様子。大会の2週間前にシェイクダウン、さらに満足しテスト走行をできなかった状態だったため「大会であそこまで走ってくれるとは思わなかった。奇跡だった。」と振り返っている。そして「目標(全競技完走)達成はできなかったが、速いマシンの土台にはなった」と、今年に向けていい感触を得られていたようだった。

その今年は、速いマシンへと開発フェーズが移る。目標には「歴代最速、オートクロス審査の70秒切り」を掲げた。3年前に達成した前会場での60.114秒、それを新会場ASEの補正を入れて70秒を目標タイムに設定した。ちなみに昨年大会だと14番手、上位1/3に匹敵するタイムだ。
車両コンセプトには「加速、旋回性能の向上」を掲げた。
まずは加速性能。昨年車両ではのバッテリー搭載量は予定の半分で電流量が少なく、出力が出ていなかったそう。それゆえ、例えば加速を競うアクセラレーションでは7.191秒を記録したが、全体のボリュームゾーンは4秒台なので、最低限タイムを残した程度に終わっていた。バッテリーを十分に搭載しパワーを発揮できることは、オートクロスのタイムアップには先決となる。
そして旋回性能。まずはバッテリーボックスが、中身の配置や配線を見直したことで、前後に小さくなった。結果として自由度がなかったサスペンション設計に余裕が生まれ、また延長されていたホイールベースも短く最適化することができたそう。また低速化したコースに合わせPOU(Pushirod On Upright)にも挑戦する。
そして、昨年外していたエアロが再び搭載される。2023年から比べるとほぼ新規形状になり、空力的なパフォーマンスの押し上げも狙う。
そして今年も底力は健在。車両製作スケジュールは予定に間に合わせるため、深夜作業で接地を完了。さらにそこから引き継がれた電装班は、1週間後の公開シェイクダウンを狙った。それは達成できずだったが、このチームの気合の入り方がそこに表れている。
カーナンバーの「E06」は、過去最速車両の結果から得られた2023年のナンバーと同じ数字。その過去最速を、今年に超えることができるか。
【TUF製作期LOG vol.5】
— 富山大学フォーミュラプロジェクト (@Toyama_TUF) April 26, 2025
4/19(土)ついに接地しました!!!!
マシンの土台を作るシャシー班は山場を乗り越え、他の班にバトンタッチします!
引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!
#学生フォーミュラ #富山大学 pic.twitter.com/O29tNrsavV
富山大学2025年車両「TF-09e」スペック | |
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フレーム | 鋼管パイプフレーム |
モーター | ヤマハ製貸与品 |
ホイール | 10インチ |