東京都立大学フォーミュラプロジェクト

 現チームは2019年から参加し始めており、昨年大会で車両を持ち込めたチームの中では最も新しいチームの一つ。2度目のフル大会となった2022年から3年連続で全競技完走を続けることができている。
 全競技完走の傍ら、3Dプリンターの活用を始め新進気鋭さが高いチーム。今年に変更となったが、これまで13インチホイール勢の中でも高い順位をキープしていた。

公式X:https://x.com/tmusfj2017

チーム5大会目の今年、「どう転ぶか怖いところ」と話すまでにプロジェクトと車両が一新する。

昨年はチーム史上最高位タイの総合19位。初出走から3年連続というチームの強みとなった全競技完走が、その結果を支えている。エンデュランスは不運にも雨の中の競技となり目標得点の未達としても響いたが、それでもオートクロスで初の土曜出走(=おおよそ半分より上の順位)を決めるなど「車両ポテンシャルがそれなりのところまできたという自信を持てた」とポジティブに振り返っている。

そして今年、車両設計はビッグチェンジに挑戦する。

今年から、Formula TMUは2ヵ年計画を立てた、目指すは来年のトップチーム入りとしている。そのために今年はまず10インチホイール化、フルコン化を実施、そしてエアロ搭載を含めて来年を完成形とする方針だという。このチーム初のビッグチェンジについて「どう転ぶかわからない」と、大挑戦になることを話している。

車両コンセプトは「敏捷」。ヨー慣性モーメントの低減や軽量化により、すばしっこくコーナーを駆け抜ける車両を狙っている。

その重要部分を占めるシャシー系は、サスペンションジオメトリを優先して確定させる設計順序に変更したそう。低速コーナーの割合が増えたことで注目度が高いPushrod On Uprightも搭載する計画でいる。「足回りの設計ははしっかりやっている。車両運動性能の向上は今までで最高」と自信をのぞかせていた。

フルコン化は、空燃比の最適化やデータロガーの搭載のための進化となる。これまで純正コンピューターを使用していたため、より洗練された燃調でパワーアップも期待できる可能性もある。これに伴い、インマニは3Dプリンター化、エキマニは完全等長とし、パフォーマンスアップを狙っている。

プロジェクト目標に関しても、これまでは絶対指標に近い獲得ポイントを目標としていたが、客観的な評価やモチベーション向上のため、今年はICV10位以内と順位に置いている。順位に関しては、来年のトップチームを見据えて、今年はトップ10に入ることを狙っているということだそう。

多くなチャレンジイヤーとなる今年のFormula TMU。2年連続で総合19位を獲得した実力で、2ヵ年の目標を成し遂げられるか!

東京都立大学2025年車両「TMU-06」スペック
フレーム鋼管パイプフレーム
エンジンHONDA CBR600RR(4気筒、599cc)
ホイール10インチ