ホンダテクニカルカレッジ関東HTEC-E Formula Project

 2005年から参加しており、専門学校系チームでは最も早く日本大会に参加したチームの一つ。2020年頃に学校の一部課程が4年制へと移行、また同時期にチームの組織改革を行った結果停滞から一転、2022年には総合10位と過去最高順位を更新した。現在はトップ10を争う有力チームの一つとなっている。
 車両は、単気筒エンジンに、昨年改革したフレームで、180kg台の軽量な車重を誇る。安定感の高いエンデュランスの走りと、高い燃費性能により、昨年は単気筒エンジンチームとしては国内トップとなった。

公式ホームページ:https://htec-e-formulaproject.studio.site/

昨年は、近年初めて車体フレームから大きく手が入った。単気筒エンジンを使用する車体は、それを生かすように182kgまで車重を落とすことに成功した。エンデュランス審査では車両パフォーマンスに差がある車両を上回り6位を獲得。効率でも、2年連続ICVトップとなる全体6位を手にした。

一方、激化している競争の中で静的審査を始め順位を落としてしまい、シングルフィニッシュという目標からは総合13位と少し遠ざかってしまった。これに対しては危機感を感じており、チームリーダーの今井さんは「(2022年総合10位→11位→13位と)順位が低下傾向なので、今年にしっかり一桁順位を決めて止めたい」「ズルズルと下がっている」と、今年での目標達成に決意を表した。

シングルフィニッシュ以外にも今年は目標がある。ここまで3年連続全競技完走を果たしており、これはチーム最高連続記録。この記録の継続更新も目指している。

車両は、今年はエンジンと足回りに手が入る。

エンジンは、同機種の公道バージョン「CRF450L」のカムシャフトを導入し、低回転トルクの向上を図った。先日シェイクダウンとなった試走会では早速効果が表れたそうで、燃調などまだまだだったが、それでもトルク変化は大きく感じ取れたそう。

足回りでは、ホイール変更に伴って、ジオメトリやタイヤサイズが変更されるそう。タイヤサイズが昨年はフロント6.0J・リア7.5Jサイズだったが、前後とも7.5Jに統一される。この導入は8月以降とのことで、そのパフォーマンスは気になるところ。

ドライバー陣も、実は昨年から強化が入っている。同じ学校の「モータースポーツ部」にドライバー担当を依頼しているそう。N-ONEカップなどの経験者やはり走り出しから違うそうで、昨年エンデュランスの好成績にも一役買っているかもしれない。

いまや順位向上に欠かせなくなっている、静的審査にも力が入る。コスト審査には例年より早く取り掛かり、正確性の向上を図った。またデザイン審査では、昨年無得点がついたパワートレイン項目を改善、データ取りなどで得点向上を図っている。

マシンカラーリングは、ここ3年間と同じ人が、現在はOBとなっても担当しているそう。左右別の塗り分けはとても評判が高く、今年もその手法での綺麗なカラーリングが期待できそうだ。

シングルフィニッシュに挑むのは3年目。3度目の正直で、微妙に低下気味な順位推移を食い止められるか?

ホンダテクニカルカレッジ関東 2025年車両「HSF-25」スペック
フレーム鋼管パイプフレーム
エンジンHONDA CRF450R(単気筒、449cc)
ホイール10インチ