今年も新規チームが現れた。しかも2年連続で北海道からだ。
「室蘭工業大学フォーミュラプロジェクト with ALTIA」
立ち上げはちょうど1年前の昨年3月。チームリーダーの工藤氏と、自動車設備機器生産事業などを展開するALTIAの協力のもと、発足されたそう。
ALTIAとの関係性
このように企業が完全バックアップしてのプロジェクトは日本ではとても珍しい。そこでALTIAに対して今回の支援の真意を尋ねてみた。
ALTIAは大学生に対するは認知度向上を課題として抱えており、6年前から学生フォーミュラへの参入を模索していたという。特に、宣伝効果を高めるために「フルスポンサードで」の参入を狙っていたという。
その中で、関係のあったこの室蘭工業大学に依頼をしたところ、話が進み、プロジェクトが実現に至ったということだそうだ。
この関係は現在のところ2027年まで、5年間という長期の契約が結ばれているそうだ。MFPは資金面、物資面、そしてマネジメント関係についてサポートを受けているという。
アルティアは室蘭工業大学藤木裕行教授研究室と共同PJT設立契約を締結し、2024年から自動車技術会主催の学生フォーミュラ日本大会に参加を予定している「室蘭工業大学フォーミュラプロジェクト:MFP」の活動を支援します。
MFPの「ゼロからの挑戦」という大きな志を共有し、全力で応援して参ります。 pic.twitter.com/ThVVsBniJq— アルティア採用担当(株式会社アルティア) (@ALTIA_saiyou) June 27, 2023
2024年、初の車両は
2024年大会に出場するチーム最初の車両「MF01」は、気合十分な車両だ。設計目標としては「原点、基礎となるような、シンプルな構造な車」を掲げている。
参加クラスはICV。選んだエンジンは、シンプルさを求めてカワサキKX450の単気筒エンジンにしている。ちなみに支援品ではなく、自分たちで購入した点は面白いところ。支援までの時間を理由に購入することを選んだというが、なんと23大会を観覧した帰りに群馬のショップにて購入・回収、そのまま大学まで持ち帰ったそうだ。しかも北海道~静岡の往復全行程を下道で行ったというから、驚くしかない。
群馬から大学までバイクをもってこれました!!!#室蘭工業大学 pic.twitter.com/uMhp13DrdR
— 室蘭工業大学フォーミュラプロジェクト(MFP) (@murokoudai) September 6, 2023
報告書内で垣間見えるフレーム形状は、他チームを視察した成果か、工夫がみられる。同郷の北海道大学の車両に似ているだろうか。
ホイールは、初年度から10インチサイズを選んでいる。またリアブレーキは1個でLSDはなし。ダンパーはRS-R。単純な構造を目指しつつ、速さという部分も確保する狙いも見える。
目指すはルーキー賞
最初の大会、目標は「ルーキー賞」だ。最も得点を得た日本大会初参加チームに送られる賞で、昨年はICVチームはなし、EVでは名古屋工業大学が受賞している。
初年度、とにかく最初の挑戦ということで「まず走るマシンを作って大会に出る」ことを重視していた。ただ「どこかで1位を獲れたら」と、野心ものぞかせていた。
最初の挑戦、往年のスカイラインGT-Rのような赤のカラーリングが楽しみだ。